2007年6月1日金曜日

鋼材について 5

前回までに 440CやD2は組織が荒く、CRMO7などは細かいと書いた。
では、ATS34はどうかと言うと、 440CやD2よりは細かいがCRMO7よりは荒いと言える。顕微鏡組織を見た訳でないが、髭を剃った感じでもそう思う。(少しざらざら当たる)
ステンレス鋼における組織の細かさと硬さ、及び耐錆には互いに相反するところがある。
CrとCの量が少ない方が組織は細かくしやすく、Cが多くCrが少ない方が硬さが高くでき、Crが多くCが少ない程耐錆よくなる。
ATS34はこのバランスが非常に良い鋼材と言える。共晶炭化物は存在するが、ある程度小さく抑えている様だ。絶妙の合金設計なのだろう。 (バランスが良い故に特長がないとも言えるが・・・)
おいらは、多少乱暴に扱う用途(アウトドアでの汎用など)にはATS34を。滑らかな切味と耐錆が欲しいときはCRMO7を使うようにしている。

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