これからハンドルの整形だが、複雑な曲面を削るはいつも悩む。ハンドルのデザインは難しい・・・
2008年5月24日土曜日
2008年5月18日日曜日
カスタムヤスリ?
セン掛け?の時に使う。普通のヤスリでも横方向には削れるが、専用に横方向に目を切ったらどうだろうと思って 、試しに作ってもらった。
横方向に目を切ったヤスリは、有りそうだけど無くて、この様なヤスリは初めて作ったとの事だった。普通のものとは勝手が違い、結構面倒だった様だ。(目の並びから苦労が見て取れる。)
値段はと言うと、ヤスリ屋さんとの事もあるのでここでは控えるが、特注品の割りにはとても安い。
今回作り方の勝手が分かったので、今後製品化してみようか?と言っていた。
色々と面白い形状のヤスリを作っているので、興味のある人は一度行ってみるといい。
http://www.tctv.ne.jp/yasuri-/index.html
2008年5月16日金曜日
鋼とコンクリート
セメントがマルテンサイトに変態した生地の鉄で、砂が炭化物と考えるといい。セメントだけではあまり耐磨耗性がないが、硬い砂が均一に分布する事で耐摩耗性が向上する。
ステンレス鋼はこのコンクリートの中に、共晶炭化物に相当する砂利が所々に混ざってる様な物。また「混ぜ物(Crなどの合金元素)」の影響で砂や砂利が非常に硬く、セメントの部分も粘りが出てる。多くのステンレス鋼の刃物が研ぎにくいは、この様に炭化物の耐摩耗性が良すぎる事と、生地に粘りが出て返りが取り難くなるからだと思う。研ぎにくいから故、炭素鋼の刃物の様なべた研ぎでなく、多くが小刃研ぎになるのは必然なのかもしれない。
2008年5月11日日曜日
炭素鋼
前回、刃物の材質につて4つの要素を挙げた。この4つをよく満たすのが、比較的に単純な炭素鋼だろう。
炭素鋼は適切な鍛造と熱処理により、炭化物は0.数μm程度まで細かくでき、生地中に均一にさせることが出来る。細かい炭化物が均一に分布してる事は、焼入れ時にオーステナイト結晶粒度の粗大化も防げる。
炭素鋼の炭化物(セメンタイト)はステンレス等の高合金鋼の炭化物に比べると、硬さが低いため耐磨耗性が比較的低い。この事が研ぎやすさにつながり、研ぎやすさ故に良い刃が作りやすい。 耐摩耗性が低いと刃持ちの点で不利だが、使用している間に生地(マトリックス)から抜け落ちるので、細かい鋸歯状になるため切れ長する。炭化物の適度な耐摩耗性による刃持ちの良さと、脱落による切れ長するのに都合の良い形状変化が炭素鋼の切味の良さになるのだと思う。
但し炭素鋼の欠点は錆びやすい事と、焼入れ性が悪い事があげられる。錆びやすい点については言うまでもないが、焼入れ性の悪さは割込みや合せなど構造を工夫したり、部分焼入れをする必要がある。コストの点では不利な要素だが、炭素鋼刃物独特の波紋が作れるので付加価値的には良いのかもしれない。また、いわゆるベタ研ぎをするにも、刃金と焼きの入ってない部分(軟鉄)に分かれていた方が研ぎやすくて良いのだろう。
2008年5月7日水曜日
刃物の材料
刃物(旋盤のバイトやドリルの刃は除く)の材質に要求される要素は、大雑把に考えると以下の様になると思う。
①鋭い刃先を作れる事。
②鋭い刃先を作るのが容易である事。
③使用してる間、鋭い刃先を長く維持できる事。
④使用して刃先に摩耗や変形があっても、切味に影響が出にくい形状なる事。
①は組織が細かい事が必要。荒ければその粒径が刃先に現れ、ポロポロ抜け落ちるので、鋭い刃先を作る事が出来ない。
②は要するに研ぎ易いと言う事。硬すぎたり耐摩耗性が良すぎたりすると、研ぎにくいのは当然の事だが、柔らかすぎても返りがいつまでも取れないので研ぎにくい。
③は変形しにくいと言う事。硬さと耐磨耗性が必要になる。変形しにくいと言う点では、塑性変形だけでなく、弾性変形も重要だと思う。この点でチタン系の素材は鋼に劣る。(チタンのヤング率は鉄の約半分)
あと硬さと耐磨耗性だけでなく耐蝕性も重要だ。錆びてしまえば当然刃先の鋭さはなくなってしまう。
④はちょっとわかりにくいが、よく考えると以外と重要なのかもしれない。例えば使用過程において刃先が潰れる様に変形していった場合、潰れた部分は広がって刃先のrは徐々に大きくなるが、潰れた先が適度に摩耗や脱落があれば、この広がりがなくなって刃先のrの大きさの変化が少なくなる。つまり徐々に切味は悪くはなるが、それにかかる時間が長くなる。長切れするという要素にはこの事も関わっている様に思う。