三本ともブレードはスーパーゴールドⅡを使ってる。
熱処理条件が三本とも違う。
ブラックリネンとタンキャンバスのドロップは真空炉で、ブラックリネンが高温焼戻しで、タンリキャンバスが低温焼戻し。
鹿角ハンドルのスキナーがソルトバスだが、焼入れ温度は真空炉とほぼ同じだが、焼戻し温度がタンキャンバスよりさらに低い。
テストピースで測定した結果では、ブラックリネンがHRcで60、タンキャンバスが61程度。スキナーは分からないが、研いだ感触からすると62弱程度と思われる。
ブレード形状の違いやエッジ厚の違いもあるので定量的ではないが、使い比べて切味と刃持ちの違いを見てみる。
研ぎ方は同じだし、小刃の角度もほぼ同じに研いである。
先ずはコピー用紙を切ってみる。
三本ともさほど変わらずにサラサラとよく切れる。
よく乾燥した孟宗竹をガリガリ削ってみる。
鋼材の硬さの違いで切味は変わるのか?・・・三本ともさほど変わりは感じない。よく切れるしよく削れる。
散々竹を削った後にコピー用紙を切ってみた。
三本ともまだサラサラと切れた。
最初の刃の立った切味ではないが、まだ十分な切味だ。
三本とも硬さは確実に違うはずだが、切味には違いが見られない。
もっと硬い物を切らないと分からないか?
確かに猟で使っていても、形状による使い勝手の違いはあれど、切味や刃持ちに大きな違いは感じてなかった。
スーパーゴールドⅡはちょっと面白い特性があるが、三本ともそれが現れているのかもしれない。
高温焼戻しが何のメリットがあるか?・・・って事になるが、硬さが低くなる分以上に靭性が大きくなる事にある。
靭性が大きければ、より薄いブレードに出来る。(靭性が低いと大きく欠ける心配があるので、あまり薄い構造には向かない)
鉈や大型ナイフ、または小さな薄いナイフにもいい。
一つの鋼材でも使い方に幅を持たせられる。熱処理を使い分けるのも手だと思ってる・・・
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
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