鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2007年6月13日水曜日

粉末鋼

インゴットを鋳込む時、冷却速度を速くするほど晶出する結晶は小さくなる。そこでインゴットを小さくするほど、結晶は小さくなり偏析もなくなる。これを限りなく小さくしていったものが粉末鋼と言える。粉末鋼は溶製鋼(ハイスにおいて)における共晶炭化物の欠点を解決するために開発された。
ナイフの業界では、ZDP189やカウリXの影響が強く、粉末鋼と言うと”高硬さ”のイメージだけが先走ってるが、肝心なのは組織の細かい事である。
ZDP189は研ぎ上げると、とてもに滑らかな刃が付く。しかし組織内の炭化物が非常に硬く、耐摩耗製が高すぎる事と、鋼自体の硬さも高すぎるので、研ぎにくいのが難点だ。(耐摩耗性と硬さは刃持ちのよさにつながるが・・・)
炭素鋼の良さはひとえに、適度な耐摩耗性と必要十分な硬さによる研ぎ安さにあると思う。
粉末鋼はステンレス鋼においても、組織を細かくして尚且つ硬さも得る事を可能にした。もっと硬さと耐磨耗性を抑えて、より炭素鋼に近いステンレス粉末鋼が入手できる様になると面白いのだが・・・

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