鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2013年5月30日木曜日

理想は何処に・・・

磨き始めた。ちっと硬いな・・・

昨日に続いて今日もくだらない事でも書いてみる。

通常ステンレス鋼の焼入れ温度は1060℃付近が多い。
しかし炭素量の割りに炭化物傾向の大きな合金元素を含む鋼種は、焼入れ温度が高くなる傾向がある。
Mo含有量が比較的多いATS34やCRMO7(0.6%のCに1%程度のMoが入ってる模様)は焼入れ温度が比較的高い鋼種の様だ。
これは炭素が炭化物傾向の大きな合金元素に食われていて、鉄の地に炭素を溶かし込む(固溶)のに、より高い温度が必要になるからだ。
MoやWやVが多く含有している鋼材は焼入れ温度が高くなる。ハイスの焼入れ温度が高いのは、この事が関係している。
使った事はないけれど、S30Vなども焼入れ温度は高めの鋼材なのだと思う。
余談だけどZDP189の組成は2.9%C・19.5%Cr・1,0%Mo・0.3%Vらしい。CとCrが非常に多いため、Crの炭化物の割合が多く、比較的焼入れ温度は低めの様だ。

スーパーゴールドⅡの問題点はMoとVが多く含有している事だ。
焼入れ温度が中途半端に高い。
ハイスならばハイスとして出してしまえばいいが、「ステンレスハイス」と称している様に、「ハイス」では決してない。
まあ、硬さが61もあれば十分なのかもしれないが・・・

2013年5月29日水曜日

どうなったかって?

熱処理から帰ってきた。
結果はっていうと・・・思うとこあって、あえて書かない事にする。もっともこの事に興味のある人はどれくらいいるのだろうか?

結果は書かないかわりに、要点だけまとめて書いてみる。

・鋼材になぜ残留応力があるのか?
鋼を圧延する時、例えば内層は変形しやすいが外層が変形しにくいとする。
中層は容易に引き伸ばされるが、外層は延びにくい。
出来上がった鋼材は外層が内層により引き伸ばされた状態になって外層は縮もうとする。
残留応力とは簡単に言ってしまえばこんな状態なのだと考えられる。実際はもっと複雑な要因が絡み合っているのかもしれない。しかしナイフ用の鋼材の様な比較的薄い平板の場合は、何らかの加工が原因でおきていると思われる。

・鋼材を焼きなまして大丈夫なのか?
炭素鋼の常識からすると、安易な加熱は組織の肥大化など悪影響の元になるが、ステンレス鋼の様な高合金鋼は炭素の移動に高いエネルギーが必要な事と、移動に時間がかかるという性質があるので、ある程度の加熱は問題がない様だ。
ステンレス鋼の焼き入れ温度が炭素鋼に比較して高い事と、保持時間がある程度掛かる事、そして焼き入れの冷却が空冷でも焼きが入るの事、・・・それらはこの性質にある。
これは合金元素と化合してできた炭化物が高温にならないと鉄の地(マトリックス)に溶け込まない事と、合金元素により溶け込んだ炭素がマトリックス中を移動するのを妨げるのが原因になっている。
炭素鋼の場合は合金元素による影響がないので、比較的低い温度で炭素が溶け込み、また溶け込んだ炭素の移動速度も速い。
組織中に炭化物が細かく分布しているステンレス鋼・・・とくに粉末鋼などは、ちょっと加熱したぐらいでは炭化物はマトリックスに溶け込まない。これは都合のいい事に、炭化物がピンの様になってマトリックス自体の結晶粒が成長するのを妨げる。この事は「ピン効果」とか「ピーニング効果」というらしい。
昨年に関の刃物まつりに行った際に、尾上先生に会ったので聞いてみた。ステンレス鋼は700℃程度の加熱なら、長時間でなければ組織の変化は起こさないとの事だった。先生曰く「炭素鋼とステンレス鋼は全く違った材料と思った方がいい」と仰っていた。

つらつらとくだらない事を書いたが、どこまで合っているかは分らない。
鋼に関しての興味は尽きない・・・知りたい事はまだ沢山あるだなw


2013年5月26日日曜日

そろそろ梅雨だし・・・

猟仲間に貰った落ち角が結構集まった。
しかし中途半端な白骨化状態なので、このままでは使えない。
 そこでこいつらを筵で包んで・・・
 簀巻きにするw
 そんでもって秘密の場所に放置。
もうすぐ梅雨に入るだろう。
今回は直射日光を避けて、なるべく山の環境に近い状態の所に置いてみる。
半年も置いとけばいいだろうか。
ネズミにかじられない事を祈るw
手持ちの染めた落ち角を切ってみた。
なんとなく何処をどう使えばいいか分った様な気がする。
ハンドルにあわせてブレイドをデザインした方がよさそうだ。
あれこれどう使うか考えるのも楽しいw

さて色々作らなきゃならないものがあるから、ちっと忙しいな・・・
まあのんびり行こうかw

2013年5月25日土曜日

うまくいくかな・・・

3.5incドロップはやっと600番まで研磨が終わった。

おいらはこの段階でヒルトを作る。
普通は鋼材を切り出した時点で作るのかもしれないが、鉄工ヤスリで削る場合、固定している間にリカッソ面に傷が入る事があるので、研磨が終わってから作る事にしている。
黒皮付きの鋼材だとピンホールが出たりして、磨いた後に0.1mmぐらい薄くなる事がある。

ヒルトは以前作って使わなかった物を再利用した。
3.0mmだった溝を両側0.2mm広げて3.4mmに加工しなおす。
ダイヤヤスリの厚さがちょうど3.4mmだったので、これがちょうど入る様にすり合わせる。手間が省けたw
ヒルト全面を磨いて仕上てから、ブレイドの溝を加工する。
ピッタリ嵌る様になったらピン穴をあける。
やっと一段落。
熱処理に出す前に曲がりをチェックする。
このぐらいの厚さだと切削や研磨してる間に、微妙に曲がってしまう事があるが、今回はほとんど変形はなかった。
石刷り取って熱処理へ。
今回もマトリックスアイダへ。(面倒な注文つけて申し訳ない・・・小僧さん宜しくです~)

さて今回はどうなるのかな・・・楽しみだw
おまけ。
夏が近い?
お前ら、暑くないのか・・・?

2013年5月19日日曜日

先は長い・・・

3.5incドロップを磨き始めた。
片面320番まで磨いて1日終わってしまった。
まだ先は長い・・・
昨日星山さんちに行った時に借りてきた。
この本欲しかったが、結構いい値段するものだから、どうしようか考えてるうちに買いはぐってしまった。
相田さんによるラブレスデザインの解説が詳しく書かれている。
なるほどそうなってるのか・・・とか、やっぱりそういうものなのか・・・と思いながら興味深く読んだ。
しかしマニアックな本だ。いったいどのくらい売れたのか知らないが、よく出版したものだと思う。結構貴重かもしれないなw

2013年5月18日土曜日

新兵器?

星山さんが何やら新兵器を仕入れたというので見に行ってきた。

新作がいくつも出来ていた。
7月の銀座のショーに持ってくそうだ。
拳銃とファイターはよく似合う?
前に掲載したモデルガン が金象嵌風になってた。残念ながらモデルガンの展示は却下されたそうだ・・・

5incファイターはまだ彫りがないが、マンモス牙に砲金のヒルトが似合ってカッコいい。
マンモスと白蝶貝。
こうして見るとワイドヒルトは彫刻が入ってこそ、と言う感じがする。

白蝶貝はハンドルにも彫ってあって、なかなかお洒落なデザインだ。よく見るとヒルトからの蔓の出口に「窓」がある。
「すべって彫っちゃった訳じゃないぞ!」との事w
3.5incのドロップと3incのセミスキナー。
やっぱりワイドヒルトは彫刻が入るとカッコがしまる。

上の3.5incドロップは大分前においらが作ったやつで、今度のショーで特価で売ってもらう予定。売れたら星山さんと山分けだw(銀座で飲むか?w)
3mのCRMO7で紫檀ハンドル。ハンドルがちっと縮んでるのと、改良前のタレで作ったシースがちっと硬めなのが今一だが、CRMO7は研ぎやすくて錆びないので実用にはいいと思う。
インターフレームのフォールディングナイフは見事な出来だ。
下の二本はマンモスの歯だっけ?
新兵器というのがこのバイス。
くるくる回って首を振るのは以前と変わらないが、レバーを操作すると水平に自由に動く。
こんな感じ。
長物を彫るときなどに威力を発揮するそうだ。
日本にはまだほとんど入ってきてないらしい。
アメリカ辺りでは一般的らしいが、そもそもエングレーバーが少ない日本じゃ需要がないだけなのかもしれない。
もう一つの新兵器がタガネの研磨機。
白い円盤がセラミックの砥石で、乗っかってる治具にタガネを固定して研ぐそうだ。
ダイヤの円盤など数種類ある。
これを使う様になって、タガネの先端の精度が飛躍的によくなったらしい。
ナイフの刃付けにもいいかもしれないなw

というわけで、7月の銀座ブレイドショーはお楽しみw
星山さん、宣伝しといたよ~


2013年5月17日金曜日

どんなんなった?

 染めた鹿角を切ってみた。
はたしてゴックみたいな色になってるのか?っと思ったが、所々黄色い色合いが出てなかなかいい具合に染まったみたいだ。
先っちょ削ってみた。
シャアザクよりは自然な感じでいいか。
先に淡い色で染めると、次に塗った染料は深く入らないので、必要以上に濃くなりすぎないのかもしれない。

染色鹿角はなかなか面白いなw



2013年5月16日木曜日

妙~な・・・

この前貰ってきた鹿角を染めてみる。
シャアザクの角 は赤い染料を使ったが、そのあとで黄色の方がいいか?と思って黄色の染料を買ってあった。
ブログ友達の「あひるさん」 が、黄色と茶色の染料を混ぜて使って蝦夷鹿の角をきれいに染めていたので、おいらも試しにやってみる事にした。
染料は混ぜてやるべきか・・・と迷ったが、どうせなら妙(?)に染まった方が面白かろうと思い、前回と同様に重ね塗りでやってみる事にした。
さらっと黄色を塗った上に茶色を景気よく塗る。
この色使いはなんだな・・・水陸両用モビルスーツの・・・ゴックか?w

そういや前にマトリックスアイダに行ったら、誰かが染めた量産ザク色の鹿角があったっけな・・・
とりあえず乾いてからのお楽しみ。
なんか妙なのが出来そうだw
3.5incドロップは荒削りが終った。
ここまでは結構簡単にできちゃうんだけど、磨くのがめんどくさいんだよな・・・

2013年5月15日水曜日

柔らかい?

スーパーゴールドⅡの3.5incドロップのブレイドを削りはじめた。

先ずは荒削り・・・
はじめはエッジカーブに直角方向にヤスリを掛ける。
この時点ではカマボコ状に削ってしまう。

ある程度カマボコ状に削れたら、エッジカーブに沿って長手方向にヤスリを掛ける。「セン掛け」って言っている。
刀鍛冶が使う「セン」で削れるといいのだが、さすがに生材でもステンレス鋼は硬すぎてセンでは削れない・・・
ある程度平らに削れたら、ベベルストップを削り出す。














ブレイドの各部で角度が一定に削れているか、ノギスのジョーを適当な幅に固定して、差し込まれる深さで見る。このためブレイドは片面づつ削る。(両面交互に削ると基準が分らなくなる)

フラットグラインドはエッジカーブに沿ってどの部分も角度は一定に作る。
色々と考え方はあるのだろうが、おいらの場合比較的薄い鋼材で作るので、切先付近の強度と使い勝手の兼ね合いから、この方がニュートラルでよいと思ってる。
ベベルストップからポイントに向けてセン掛けして、面のつながりが滑らかになる様にする。

とりあえず片面の荒削りが終わった。
このスーパーゴールドⅡはなんだか妙に柔らかく感じた。この前セミスキナーに使ったスーパーゴールドⅡはATS34より僅かに硬く感じたが、今回の方が明らかに削りやすい。
焼鈍しが効いているのだろうか・・・?

2013年5月14日火曜日

夏も近いし

 お知らせ。
今年も夏のoff会やります。
8月3~4日で場所は
http://www.chiisanamori.com/
です。
過去ログで様子はなんとなく分ると思うので、探してみてくだされw
予定は未定なので、変更等あれば逐次お知らせします。

おっつぁん、幹事今年もよろしくですw







タングのテーパーの面出しができた。
早く熱処理して答えが知りたい・・・が、まだ先だな・・・











2013年5月13日月曜日

効果はいかに?

休み中に鉄工所やってる従兄弟のとこに行って、鋼材の平面研磨をやってきた。
大分くたびれてる平面研磨盤だが、最近になって自動送りが故障して手動で送らないといけなくなってた。
付っきりで見てないといけないので面倒だw
まあ、平面出せる事を考えれば贅沢はいえない・・・

従兄弟のとこの近くに麹屋さんがあって、時間があったので寄ってきて麹を買ってきた。
昨日の夜に味噌を仕込んだ。
例年なら麹を自作するのだが、春先の天候不順で二回失敗して、そのうちちっと忙しくて麹作りができなかった。
今年は味噌仕込むのやめるかと思ってた。
米麹と麦麹を1kgづつ買ってきた。1kgで1050円。作る手間考えれば、決して高くはないか・・・







米麹を塩きりする。
この原料の米は加工用の米らしい。
大豆700gを圧力鍋で蒸して、塩430g、麹1kg、水600cc、酒粕少量の分量で仕込んだ。
大豆は煮るより蒸した方が味が濃くなる様なきがする。
圧力鍋は加圧して蒸気が出始めてから10~15分程度蒸すとちょうどいい。
多分1樽で4kgを少し切るぐらいの量。

まだ大豆が大分余ってる。納豆にでもしちまうか・・・
平面研磨できたのでスーパーゴールドⅡのドロップを削り始めた。
とりあえずタングのテーパーの荒削りが終わった。
焼鈍し の効果はいかに。
ATS34だと片面だけ削った時点で削った反対側に反る事があるが、これは反りは全くなかった。効果はあるのか?・・・
ATS34の場合は残留応力があっても両面でつりあうので、もう片面削ると元に戻るし焼入れで曲がる事もない。
片刃で曲がるってのはこれが一つの原因なんだろうけど、それなら予め焼鈍してからやると反らないんだろうか?
片刃のナイフなんておいらは作らないから、誰か実験してみてくれないかなw

2013年5月8日水曜日

ちょいとドライブに


連休後半の4日間が休みだったので、車でぷらぷら出かけてみた。
友人のドラさんが安来の刃物祭に出るとの事だったので、とりあえず西に向かってみた。
さすがに埼玉から島根の安来は遠いなw
高速使っても着いたのは次の日の朝だった。
片道約750kmあっただよ・・・

朝っぱら日立金属の和鋼博物館に来た。
2年前だったか、五月の連休にやはり来た事があったが、日が暮れてすでに閉館していた。(あの時は刃物祭の次の日だったか・・・)
その時から一度見学してみたいと思ってた。
今回安来に来た目的の半分はここに寄るためだった。

駐車場に何気に転がってる鉄の塊は、よくよく見たらインゴットだった。この大きさで300kg程度あるらしい。特殊鋼もはじめはこの様な形で鋳込まれるのか・・・?

和鋼博物館はその名の通りたたら製鉄についての展示が主だが、たたら製鉄の原理を応用した技術が、今も受け継がれている事を示す展示もあって興味深かった。
今でこそ日刀保のたたらが操業されているが、一度は廃れてなくなったものだと思っていた。
しかし、たたら製鉄をベースに安来製鋼所が開発した砂鉄精錬の技術は現在も日立金属に生きていて、今でも特殊鋼の一部と刃物鋼は砂鉄を原料に生産されているそうだ。

和鋼博物館を見学したあとに刃物祭に行ってみた。
関の刃物祭ほどではないが、それなりに多くの人たちが来ていた。
雨が降ってきたため、刃物屋さんは難儀していた。
関と違って土佐や堺、三木それに福井や三条などの刃物業者も集まっていて、包丁や生活刃物以外に大工道具なども多く見られた。
場所が近いせいか、土佐からの業者が結構多く、炭素鋼の刃物が沢山あった。それも意外と安いだな・・・




刃物研ぎサービスは大忙しだった。















屋台や出店に引っかかりつつ、やっとこナイフショーの会場まで来れた。
関に比べると閑散としてるだな・・・













入ってすぐの正面に二部さんがいて、「なんだ、よく来たな~」と言われてしまった・・・
いや~物好きですからw
二部さんは何か受賞されたそうだ。
鋼材がSLDだったのがよかった?












吉川さんからも「よう来たな~」とw
最近吉川さんが作ってるこのハンティングナイフ、なかなかいいですだ。
これの鋼材について色々話が聞けて面白かった。


二部さんとレッドオルカの赤鯱さんが受賞されて、その表彰式。お二方とも、おめでとうございます。
聞くところによると賞には賞金が付いてるそうで。それ目当てにショーに出展するのもいいのかもしれないなw

今回初めて赤鯱さんに会った。
某掲示板刃物板のイメージがあったので、かなり妙な人と勝手に想像していたが、リアル赤鯱さんは意外と普通の人でしたw




そしてこれがドラダイさん の展示。
ドラさんは有名刃物メーカーに勤めていて、会社でもナイフ作ってるのに、カスタムメーカーを目指して(?)家でもナイフを作ってる働き者。ある意味フルタイムメーカーなのかもしれないw
今回は会社の出展のための出張だったが、半分ぐらいは自分で作った物を展示してた。社長に怒られないのか?
スプリング鋼製の蛮刀?を手に、ポーズを決めるのがドラさんです。
削りから鍛造もやる、なかなか腕のいいメーカーさんだ。

大分太くなっただな・・・
嫁さんにいいもの食わしてもらってるなw


ナイフショーを見終わって引き上げる途中、日立金属安来工場の山側工場の前を通った。
安来駅の真後ろにあって、安来製鋼所だった所らしい。海側の工場に比べれば規模がやや小さい。
今度は工場見学に来たいものだ。

温泉に行ってみようと思って、ドラさんに地図を描いてもらったが、あまりにもアバウトで何処だか分らんかったw
ぶらぶらしてたら看板見つけて、違う温泉を見つけて浸かって来た。


次の日は長船の片山重恒さん に会いに行こうと思ったら、鉄砲の演武で出かけちゃうとの事。
何処でやるのかと聞いたらそれほど遠くなかったので、見に行く事にした。

行く途で三徳山の投入堂を見てきた。
かなり古い建物らしいが、えらい所に建って(嵌って?)る。
よくもまあ建てたもんだが、それが長い事残ってたってのも凄い事だ。
演武の会場の河原城に着いた。
鳥取市に程近く、安来からは100kmちょっとだった。
もともとこの場所には城はなかったそうだが、バブルの頃の「ふるさと創世1億円」で作ったものらしい。

小高い山の上にある城で、ここからの眺めはなかなかいい。
公園になっていて、町の憩いの場になっている様だ。
片山さん達「岡山鉄砲隊」は、ちょうど甲冑の着付けの最中だった。
この日は町のお祭りで、その一環で演武を行うそうだ。
鉄砲隊はイベントがあると駆出されて、この日は別の場所でもイベントがあったので二隊に分かれての出陣だったそうだ。
甲冑はえらい古い物もあって、隊長さん曰く「文化財を破壊してる様なもんだw」と冗談交じりに言ってた・・・
片山さん、装着完了。
カッコよく決まってるねw

本物の火縄銃って、まじまじと見るのは初めてだ。
大砲(おおづつ)といわれるものは、口径がピンポン玉ほどあって驚いた。
そもそも銃床がえらく短く、肩付けせずに頬付けで撃つというから凄い。

















空砲とはいえ、火縄銃を実際に撃つところを見たのは初めてだ。
黒色火薬を使うから煙が凄い迫力だ。
これ射場で標的射撃やったら面白そうだなw

皆さんカッコいいねw
でも真夏にやったらたまらんだろうな・・・
甲冑の着付け実演があって、「誰かやらないとはじまらんぞ~」って事で着させられてしまった・・・
装備重量は20kg程度ある。こんなの着て戦をやってたってのも凄いな。
前に甲冑師の人に聞いたが、戦場の跡を発掘すると刀や弓の類いは出土しても、甲冑が出土する事はほとんどないそうだ。
甲冑は手の込んだ作りで非常に高価であったため、戦が終わった後に回収され使い回されたとの事。

しかし貧相でカッコ悪いなw

片山さん、いいもの見せてもらいました。ありがとさんです~
河原城をあとにして、そろそろ帰り始める。
本当なら姫路城でも見て行きたいところだが・・・
都市部を避けて内陸の山間部をくねくね走っていく。
京都から滋賀に抜けた頃に日が暮れて、琵琶湖の西岸に出たところで一泊。

琵琶湖の向こうに日が昇る。
琵琶湖の西岸ってはじめて来た。意外と水がきれいだ。
岐阜の山の中で射場の看板を見つけて見に行ってみた。
トラップとスキートが一面づつの小さな射場だが、開放感あってなかなかよさそうな所だった。

鉄砲やってるんで見に来たんだと言うと、「そんじゃ撃ってくかい?」・・・いや持ってきてませんがな・・・「なんだ、車ん中に入れてないんかw」・・・そりゃ入れてませんがな・・・「今度撃ちにおいでよw」・・・ちっと遠いですがな・・・だってw
鳥取から滋賀にかけてはなだらかな山が続いたが、岐阜に入ると段々山が急峻になってくる感じだった。

いつも見慣れた雪山を反対側から眺めた。
まだえらい量の雪があるだな・・・
やっとこ長野にたどり着いた。
野麦峠もはじめて来た。
べつに眺めがいいわけでもなく、なんて事のない場所だった。
ここから一旦伊那に出て諏訪から麦草峠を越え、ぶどう峠を経て299号で秩父に向かい、夜になってやっと家にたどり着いた。
行きと比べて200kmほど多かった。本州の1/3ぐらいの山間部を走った感じかw

今回買ってきた物はこの二つだけだった。
赤鯱さんちの7寸鉈と、ドラさんとこの会社の肥後守。
鉈は白紙割込み鍛造らしいが、これで5000円だった。製造直販だから安いんだとか・・・
うちのお袋様でさえ「この柄と鞘で5000円は安いわね~w」と言ってたw
肥後守はVG10の420J2の3層鋼ブレイドで3000円だった。
これはなかなかよく出来てるだな。

さすがにくたびれたが、なかなか楽しいドライブだったw
行ってみてよかった~



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