鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2007年7月31日火曜日

台風?

台風来るらしいな・・・
結局、梅雨は開けたんか?・・・

2007年7月29日日曜日

シース製作その7(完成)

ロックが少し固かったので、ヒルトの通り道になる部分の中子を、彫刻刀で削って調整する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

丁度よく調整できたら、棒の先に蜜蝋を付けて中子に塗りこむ。塗った後に割り箸の先で、よく磨いておく。すべりをよくして、滑らかに抜差しできる様にする。 
 
 
 
 
 
 
 
 

やっと完成。
あまり良い質の革でなかったが、まあまあな出来かな?。
ラブレスポーチタイプのシースは、パーツが少なくシンプルな構造なのだが、カッチリしたものを作ろうと思うと結構難しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
裏側。
水抜き穴だが、ポンチで穴をあけないで中子の端に隙間を開けて、水抜き穴に代用する方法もあるが、これだと構造的に弱くなってしまう。
 
 
 
 
 
 
 


3.3mm厚 HMS67 2.5inc 黒檀ハンドル
今回初めてHMS67を使ってみた。(端材が安かった)
HMS67は切削と研磨が容易で、CRMO7より若干加工しやすいかもしれない。コンパウンドで磨くだけでもミラーに近くなり、変な縞模様が出る事はない。
研ぎ上げると、とても滑らかな刃が付いた。この点もCRMO7に負けず劣らずと言う感じ。研ぎやすいので包丁に使ってみるのも面白いかも知れない。



 
おまけ。
このパターンは気に入ってるので、若干サイズを変えたりして、これだけ作った。
どれもブレイド材は、半端物として安く売られてるのを使った。練習には丁度いい。

2007年7月24日火曜日

梅雨は?

梅雨はあけたんか?まだかいな?
じゅんでも貼っとく。

2007年7月22日日曜日

シース製作その6

ウェットホームして、一週間ほど干したら乾燥した。ものが小さく比較的に革厚が薄かったので、梅雨時期にしては早く乾燥した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


コバを仕上る。ちょっと水を付けてペーパーで削るといい。400番程度まで掛けて、あとは水を少量付けて、軍手で磨くと飴色になって艶が出てくる。
おいらはコバに着色はしない。この風合いが好きだ。
 
 
 
 
 
 


仕上に特製のタレ?を染み込ませる。
革は蛋白質の細かい繊維が絡まって出来ている。
ウェットホーム出来るのは水を含む事により、繊維の絡まりが緩むからである。ウェットホームした後の乾燥した状態は、繊維どうしがくっ付いて固まった状態になってる。(だから硬くなってる。)
このままだと弾力がなく、繊維が摩擦されてひび割れが発生する原因になる。
そこで革に油や蝋を染み込ませるのである。繊維どうしを潤滑するので、適度な弾力を得られる。
おいらは蜜蝋を主成分に、何種類かの油と蝋を天然テレピン油に溶いて作った物を使ってる。
 
 
 
 


タレ?を湯煎して溶かす。
これを使う以前は、登山靴用のキウイってメーカーが作ってる「ウェットプルーフ」ってやつを、テレピン油に溶いて使ってた。臭いが取れるまで、ちょっと時間がかかるのが難点だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
溶けたらこの中にシースを漬けてしまう。物が小さかったので、直接ビンの中へ突っ込む。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
よく染みたら引き上げる。
染みたてはかなり濃い色をしているが、乾燥するともっと薄い色になる。
 
 
  
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
風通しのいい場所に干す。

2007年7月21日土曜日

8incファイター?その11

熱処理から戻ってきた。(いい焼き具合?)
この色を見れば、知ってる人は何処に出したのか分ってしまうだろうなw。
おいらが熱処理をお願いしてる所は、ATS34は500℃付近の高温焼戻しをするらしいので、茶色っぽい酸化皮膜が付いてくる。油で冷却するらしいが、油の状態(新鮮か古いか)によって、もっと暗褐色になる事もある。
ATS34は高温焼戻しの方が粘りが出ていいらしい。二次硬化する特性があるので、硬さが低下する心配はない。耐錆にも問題はない様だ。厳密に比較すると低温焼戻しより耐錆は劣る可能性はあるが、今まで実用上でその差を感じた事はない。
 
熱処理屋さんが作業中に当ててしまったらしく、僅かにポイントの先端が曲がってた・・・orz
まあ、研いじゃえば問題ないからいいか・・・

2007年7月20日金曜日

シース製作その5

ウェットホームする。
ぬるま湯の中に景気良く漬ける。










ナイフを挿して、へらなどを使って整形する。
濡れた革は伸縮がきくので、結構自由に整形できる。この点が革細工の面白いところ。鉄工とは対極の感がある。









整形できたら、ナイフを出して乾燥させる。
風通しの良い場所につるして、よく乾かす。
今の時期は梅雨時で、湿気が多いのでカビの発生に注意する。あまり素手でベタベタ触ると、カビが生えやすくなる。


2007年7月19日木曜日

シース製作その4

コバから5mmぐらい内側を、5mm間隔で菱錐で菱穴をあけるために、印しを付ける。











取手を外した菱錐の先を、ボール盤に取付けて菱穴をあける。(回転させちゃだめだよw)
菱錐は丁度いい大きさの穴があく様に、研いで調整するといい。













あけた菱穴を、手で菱錐を使って広げる。菱錐を通して、ちょっと捻って広げる。こうする事で糸の通りをよくする。菱穴は縫い終わった後にウェットホームすると、自然に閉じて、縫い目が締まって緩まなくなる。だからドリルの様なもので、丸穴をあけたのではいけない。










2縫い先から初めて、一旦戻ってから縫っていく。(この部分だけ二重に縫う。)
必要な糸の長は以下の様になる。
糸長=(厚さ+穴の間隔)×穴数×2
これに針を通して手で引く分に200mm分程度足しとけば、足りなくなる事はない。







二重に縫う部分は針が通りにくいので、プライヤーで摘まんで抜く。この部分は菱錐を通す時に、あらかじめ大きめに広げとくといい。










糸を通す向きを毎回同じ様にする。でないと縫い目が揃わない。
一縫いごとに力一杯(渾身の力を込めて)糸を引いて締める。










終わりも二縫い戻る。この状態で糸を切って終わり。このままで緩む事はない。

2007年7月18日水曜日

シース製作その3

中子を切出す。以前は表革と同じ物を重ねたり、プレスして固めた物を使ったりもしていたが、今は靴底用のベンズと言われる5mm厚の物を使ってる。問屋さんを回って、売ってる所をやっと見つけた。
イタリア物とイギリス物と日本製があって、イタリアのは柔らかく、イギリスの方が硬く、日本のはその中間なんだそうだ。
 
 
 
 



切出した中子の内側になる部分のコバを仕上る。
仮組みをくりかえして、ヒルトの収まる部分をよく検討し調整する。この部分がうまくいかないと、ナイフを収めた時にカッチリいかなくなる。
 
 
 
 
 



 
中子を接着する。接着面は罫書針で荒らしておく。サンドペーパーだと削れて粉がでるので、この方法でやってる。
銀面は剥かなくても、これで十分付く。
 
 
 
 
 
 
 

 
中子を片方に接着した時点で、水抜きの穴をあけるのを忘れていた。(よく忘れるw)
革ポンチで3mm程度の穴を打つ。(銀面から打つ。)
ブレイドを収めた時に、ポイントが通らない位置にあける。(でないとポイントが引っかかって、突き出る事がある。)
 
 
 
 
 

 
ナイフの収まりを見ながら、もう一方の側を接着する。接着剤はダイアボンドのNo888。
クリップで固定して固まるのを待つ。この手のクリップはそのまま使うと色が移ることがあるので、接触する面にテープなどを張っておくといい。
 
 
 
 


 

切出しの精度がいまいち悪かったので、コバが大分ずれてた・・・
削って揃える。
隣に写ってるのは大分前に作った4incのドロップ。キャンプに使ってるやつだが、普段から汎用に使ってる。意外と木工などにも使いやすい。
 
 
 
 



 
削った後にサンドペーパーで整えて縁も落とす。
一応、形になった・・・

2007年7月17日火曜日

シース製作その2

折り曲げる部分に溝を彫るために、罫書線を入れる。型紙を重ねて、線の始端と終端(丸印)を針で印して線を書く。 
溝を彫るのは、折り曲げやすくするため。そのままで折り曲げると、しわになってきれいに曲がらない。 
 
 
 
 

 
 

彫刻刀で溝を彫る。大体、革の厚さの半分ぐらいの深さを彫る。 
溝を彫ると強度が下がる様に思われるが、革は銀面(表面)付近が一番強度があるので、裏面を薄くする分には、あまり強度が低下する事はない。 
溝を彫ったらコバと同じ様に、少量の水を付けて磨いておく。毛羽立たなくなる。  
 
 
 


 
ベルトループの折り返し部分も、銀面を薄く溝を彫る。強度が低下しない様に、両端の銀面は少し残しておく。 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
ベルトループを縫うために、菱錐を通す。 
縫う部分はずれない様に、簡単に接着剤で止めておく。(頑丈に接着する必要はない。) 
 
 
 
 
 
 
 

 
蜜蝋を引いた亜麻糸で縫う。
縫い始めはここからで、反時計回りに縫う。 
一縫いごとに糸を力一杯引いて縫う。 
 
亜麻糸は縒りが緩くて、そのままでは頼りない感じだが、実際には非常に強い糸だ。手縫いには亜麻糸の風合いがよくあう。 
 
 
 
 
  

縫い終わり。ここで糸を切る。
最後を2縫い重ねる事で、ほつれを防ぐ。
切ってそのままとしてるが、ほつれた事はない。(変な細工はする必要はない。) 
 
 
 
 
 
 
 
 
縫い目を木槌で「これでもかっ!!」ってくらい叩いて糸を沈める。ナイフを抜差ししても、引っかからない様になる。  

2007年7月16日月曜日

シース製作その1

ラブレスポーチタイプのシースを作ったので、しばらく連載してみる。 
 
ものは2.5inc用。まずは型紙を作る。 
 
 
 
 
 
 
 

 
革は端切れを、問屋さんで安く買ってきた物。あまり良い物ではないが、十分使える。2.5incと比較的小型なので、厚さは約2.5mmの物を使う。大きめのサイズなら、通常は3.5mm以上の厚さの物を使う。
型紙を革に写す。革は素手で扱うと汚れやすいので、作業中は軍手をしてる。 
 
 
 
 

 

切出す。おいらはデザインナイフを使ってる。革包丁は使ってない。曲率の小さい所は、あらかじめ革ポンチで抜いておくといい。 
 
 
 
 
 
 
 


 
切出せたら、ベルトループと口になる部分をサンドペーパでならす。縁も落としておく。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
革は水分を含んだ状態で加熱すると、加水分解して膠状になる。この為、コバに水を少量付けて軍手で擦ると、毛羽立ちが無くなって艶が出る。このあとにコバワックスを付けて磨いておく。
 
 
 

  

2007年7月14日土曜日

8incファイター?その10

この変な形のヒルトをどう削り出すか悩んだが、とりあえず簡単な図面を作った。
ちなみにヒルトの段付は、相手の刃をこの部分で受けるために付いてるそうだ。スパイン部がテーパー状に厚みがあるのも、相手の刃を受けても平気な様にするためだと言う。ちと物騒な話だな・・・
 
 
 
 
 


図面をもとに罫書く。
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ひたすら削り出す。罫書線はあくまで目安として、左右(上下か?)の対称性を注意する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


ヒルトの形の見当が大体ついたら、ピン穴をあける。
普段ならヒルトの窓あけした時点で、ピン穴をあけて熱処理に出してしまう。その間にヒルトの加工をするのだが、今回は形状の見当がいまいち付いていなかったので、この様にした。(失敗してもやり直せる様に。)
ニッケルシルバー(洋白)は柔らかいけど結構粘いので、ドリルの噛込みに注意する事。うっかりすると折ってしまう事になる。 
 
 



ブレイドに仮止めして、残りを切削。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
とりあえず出来た。この形状が、この先のヒルト整形の基準となる。
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 

ピン穴があいたので、やっと熱処理に出せる。石刷を取っておく。

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