図は前にも書いた事があったと思うが、いわゆる鉄の状態図ってやつ。
純鉄に含有炭素量を変えて、温度によって組織変化がどうなってるのかを表している。
詳しい原理を必ずしも知る必要はないが、見方を知っておくと非常に便利だ。言ってみりゃ地図みたいなもの。
但し状態図は平衡状態という、温度変化が非常にゆっくりな条件で示されている。
炭素量0.8%以上の過共析鋼の場合焼入れ温度はA1線の少し上で、Acm線を越えない範囲で焼き入れすべきだ。
しかしこれをそのまま例えば日立の白紙の焼入れに当てはめると、白紙の焼入れ条件は微妙に高すぎる事になってしまう。(保持時間がちょっと長いが参考になる資料があった http://www.iri.pref.niigata.jp/26new05.html 750℃だとオーステナイトになりきれずフェライトが残ってる。A1線は750℃よりさらに上にあるって事になる)
なんでかって言ったら、先ず白紙の様な実際の炭素鋼はSiやMnといった元素を含んでいる事とがあげられる。含有元素にCrなどが入るとさらに温度が高い方にズレる。
それと実際の炉での加熱は平衡状態とはかけ離れるので、状態図とはズレができてしまう。平衡状態でない場合変態温度は、加熱の場合高くなり冷却では低くなる。
焼入れ温度をAcm線越えてオーステナイト単相の領域まで持って行ってしまうと、炭化物が全て基地に溶け込みピン止め効果が効かなくなって、基地(オーステナイト相)が粗大化してしまう。
過共析鋼の場合A1線よりちょっと上まで加熱すれば十分な炭素量(0.8%以上)が固溶するので、焼入れしても十分なな硬さは得られる。
それより温度を高めてAcmを超えないににしても、必要以上に炭素を固溶させて焼入れすると、今度は残留オーステナイトが増えて十分な硬さが得られなくなる。
実際と状態図にはズレがある。
これを言って理論と実際は違うから役に立たないんだとするのは大きな間違いだ。
実際とのズレの原因を知り理論を使えばいい。ズレがあっても傾向はほとんど理論通りになるはずだ。
放置プレイになってたjkgの鍛造教室で作ったナイフを削ってみた。
焼きが入ってるとベルトグラインダーでも削るのめんどくせえな・・・
研いでみた。
ダイヤの荒砥の時点でポロポロきた。
こりゃ硬すぎるし脆すぎだw
もうちっと削り込んでみるか・・・
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
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