ちっと覚書代わりにくだらない事でも書いてみる。
今猟期はS30VのドロップとSPGⅡのセミスキナーを主に使った。
前にもちょっと書いたが、S30VはSPGⅡに似たところがある。
VとMoの比率が僅かに違うだけで組成はよく似ている。
S30Vの方がVの比率が多い事と炭化物自体の大きさがが大きい様で、SPGⅡを極端にした様な印象だ。
Vの炭化物は他の炭化物から比べても最も硬いものらしい。
そんなものがジャリジャリ入ってるS30Vは耐摩耗性は確かにいい。
高温焼き戻しで使ったのでせいぜいCRMO7と同じ程度しか硬さがないが、使ってみると確かに長い事よく切れる。
おそらく機械でザッと研削してバフで仕上げるやり方だと、刃持ちはとてもいいのかもしれない。
機械での研削とバフ仕上げは、研削による加工だけでなくバニシ効果によって塑性変形も伴うので、刃先に炭化物を掻きよせる様に研ぎ上げられる。
ところでスナックナイフってのがある。あれって刃先にポイントが沢山並んだ様なものだ。尖ったポイントが切る対象に刺さって、これを起点に切れ込んでいく。
刃先に掻きよせられた炭化物はこれをミクロレベルにした様な効果があるんだと思う。
刃先に出た炭化物は使ってるうちに脱落しても、基地が摩耗する事で炭化物が出てくるので切れ味が持続する。
S30Vで一猟期中全く研ぎ直ししなくても使えたって様な話を聞くが、もしかしたら機械による刃付けなら可能なのかもしれない。
砥石を使って手で研いだのでは、なかなかこの様な刃先は作れない。
S30Vのジャリジャリとした硬い炭化物では、木を削って滑らかな木肌を出したり、刺身包丁の様に綺麗な切断面を出すといった、研ぎ上げて滑らかな切れ味を必要な用途には向かないだろう。
S30Vと対局にあるのがZDP189だと思う。
ZDP189は炭化物のほとんどがCrによるものなので、炭化物はあまり硬くはない。S30Vなどから比べても、その大きさはちょっと小さい。基地が硬いだけで研ぎにくいってのはあるが、炭化物がそれなりに小さく硬くもないので、研ぎ上げるとそこそこ精緻な刃が付く様だ。
ミラーがきれいに仕上がらないとか研磨が大変だって鋼材は、研ぎ上げても滑らかな刃先にはならないのかもしれない。
適した研ぎ方ってのは鋼材によって違うものなのだろう。
S30Vの様な鋼材は高番手の砥石まで研ぐのでなく、中砥程度でザラッとした刃付けで使うのがいい様だ。
以上は使ってみて思った事なので、考えがあってるかは分からない。
まあどうでもいい事なのかもしれないな・・・
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
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3 件のコメント:
スパイダルコの波刃も
切れ込みを狙ったところが
あるね。
そやけど、切れたらエエんで、
研ぎやすい普通の刃でエエと思うでw
デ
まああの手の刃形状はユーザーが研ぐもんじゃないなw
難しくは無いけど、時間がかかるな。
以前、オフでもやったなw
デ
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