鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

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2018年2月6日火曜日

生材の硬さ

 熱処理前の鋼材の硬さってどんなもんなんだろ。
ATS34などはHRcで20前後だというのは知ってたが、ZDP189なんかはどれぐらいなのか知りたくなった。
転がってた端材を測ってみた。
このぐらいの硬さになると本来ならHRcで測るべきでないのかもしれないが、まあ大体の違いが分かればいいw

低い方の表示値は、この辺りの硬さ基準片がないので真値との差は分からない。まあ、それほど大きくは違いはないだろう。
測った鋼材は焼き鈍しはしてない、全てメーカー出荷状態の物。
ZDP189は概ね30ぐらいあるみたいだな。
意外だったのがカウリY。そのままだと結構硬いんだな。前に使ったときは焼き鈍してから削ったせいか、あまり硬さは感じなかったし、加工性はATS34とそれほど変わらなかったと思う。
RWL34もちょっと硬めに出たが、これも焼き鈍してからつかったので、硬さそんなに感じなかった。
炭素鋼のSK3は10程度しかなく、かなり柔らかいんだな。
合金鋼は焼き鈍し状態でも、基地の鉄に合金元素がそれなりに溶け込んでいるので硬いのかもしれない。
圧延の状態も影響していて、冷間での圧延があると硬くなると思われる。この場合は焼き鈍す事で若干柔らかくなる。
加工性は硬さだけでなく、含まれる炭化物の硬さ(耐摩耗性)にもよるので、一概にHRcの硬さだけでは分からない。

2018年1月19日金曜日

違う?

 3.5incフィールド&ストリームも1000番まで掛けた。
昨日測った硬さは3incセミスキナーが60.3で3.5incフィールド&ストリームは61.4だった。
マトリックスアイダのATS34の熱処理は硬さよりも靭性優先の高温焼き戻しなので、概ね硬さは60ぐらいになる。
セミスキナーはまあそんなもんだが、F&Sの方が同時に熱処理した割にはちょっと硬さが高い。
SSとF&Sは同じATS34だが、板厚が違うものを使っていた。SSは黒皮付きで3.8㎜で、F&Sは3.6mmだった。
前に作った3.5incセミスキナーのタンリネンハンドルの方が今回のF&Sと同じ鋼材を使っていた。これは硬さを測ってあったので資料を見てみたら60.9だった。
僅かな差かもしれないが、3.6㎜のATS34の方が若干硬さが高くなる様だ。
何が違うのかは分からない。単なる誤差なのかもしれないが、まだ鋼材は残っているので今後に注意してみよう・・・

謎のみかんを貰った時にレモンも少し貰ってきた。
オレンジ色っぽい小さいのもレモンらしい。
どうしようかと思ったがホワイトリカーに漬けてみた。
砂糖入れるべきかと思ったが、甘いのも何だから入れなかった。
どんなの出来るかな・・・

2018年1月18日木曜日

やっと手を付ける

 熱処理から戻っていたが、なかなか手を付けられないでいた。
酸化被膜付きっぱなしだと錆びる事がある。
今の時期なら乾燥していて大丈夫だろうが、湿度の多い時期は要注意だ。

 タングにブラスト掛ける。

600番で熱処理だしてあったが、酸化被膜を取るために600番を掛ける。

 硬さを測ってみた。

 硬さの測定って結構厄介なものだ。
HRc硬さの場合、原理上一目盛2/1000㎜を測定する事になるのだが、これって非常に微妙なものだ。結構測定誤差が出る。
炭素鋼の様な組織の微細なものは比較的バラつきが少ないが、でかい炭化物があるステンレス鋼だとバラつきが大きくなる様だ。
測定圧子が巨大な炭化物の部分にかかると、測定値がバラつくのだと思う。
それと表面の粗さや上下面の平滑さも測定に影響する。
一か所二か所測定しただけでは本当の値は分からない・・・

3incセミスキナーは1000番まで掛けた・・・

2017年9月28日木曜日

違うぞ

 やっとセミスキナーに取っ掛かる。
先ずはタングの酸化被膜を落とす。

 600番で熱処理出しているが、酸化被膜落とすために600番を掛ける。
ATS34だが、なんかいつもより硬い気がするな・・・

硬さ測ってみた。
いつもよりHRcで約1高かった。
言ってしまうとマトリックスアイダのATS34の熱処理は靭性重視なので、通常HRcで60ちょうどぐらいになる。
硬くしたいならCRMO7の条件でやると、HRcで63近くになる。多分ナイフの熱処理やってくれる業者の中ではATS34を最も硬く出来る。
間を取りたいならSPGⅡの条件でやってみるのもいいかもしれない。その場合HRcで61~62ぐらいになるんじゃなかろうか。
何が違うって言えば、焼き戻しの条件が違うんだな・・・

時間があったので次の1000番を掛けた。
磨きやすいな。
硬い方が粘る感じがなく磨きやすい事がある。
ちょっとした違いだけど、こうも違うと面白いものだ・・・

2017年8月23日水曜日

謎の鋼材H1

夏off会の時にH1の硬さと組織を見てみたいと言ったら、ドラさんが送ってくれた。
端材なのかと思ったら、作りかけのブレードだった。
今一切れないから作るのやめたんだとか・・・もったいないな・・・

とりあえず硬さを測ってみた。
ブレードは平面でないから測れないので、タングの部分で測ってみた。
7本ともHRc57ちょうどだった。
概ねどの部分でも変わらない。
まあ使えない事はないが、結構柔らかめだな。

加熱したらどうなんだろか?
ガスコンロで先っちょだけ加熱してみる。
700℃ぐらいにはなったんじゃなかろうか。
空冷で放置後、硬さを測った。
赤熱部で表示は41程度。(この辺になると真値と表示値の差は不明)
赤熱部からちょっと離れた部分(300℃ぐらいにはなったと思)は54~55程度だった。
やはり赤熱するほどだと硬さは落ちる。
しかし完全に鈍せるほどには硬さは落ちてない。
数分の加熱だったので、そんなもんなのか?



一本目のドロップはもうちょっとだけ削って桐油を浸み込ませた。
暫く放置プレイ・・・

2017年8月9日水曜日

結構硬いな

 RWL34のドロップが熱処理から上がってきた。
一本目をマトリックスアイダでCRMO7の条件で出した後、残りの一本もすぐに磨き終わってATS34の条件で出していた。

 酸化被膜を落とすために600番を掛ける。
CRMO7の条件はかなり硬い感じ。
ATS34の条件もATS34と比べるとちっと硬い様だ。

 硬さを測ってみた。
CRMO7の条件でHRc63.7あった。
ATS34の条件ではHRc62.2ある。
タングがATS34を熔接してあるので、この部分を測ってみると、CRMO7の条件でHRc62.5、ATS34の条件でHRc60.3だった。
組成はATS34と大きくは変わらないが、粉末鋼である事から硬さが出しやすいのかもしれない。
カウリYもCRMO7の条件でHRc65で、ATS34の条件でHRc62だった。

Vの含有が多いSPGⅡやS30Vは真空炉だと硬さが出にくい問題があったが、RWL34だとその問題はなさそうだ。
やはりVは入っていても、せいぜい1%程度に抑えてあった方が使いやすくていいな・・・
 簡単にエッチングして組織を観察してみた。600倍で横の画角が約100μm。
先ずはCRMO7の条件。

こっちがATS34の条件。
熱処理条件による大きな違いは見られない。
研磨やエッチングの状態の違いはあるが、前に見た生材と基本的に炭化物の様子も変わらない。

基本的にマトリックスアイダのCRMO7とATS34の条件の違いは焼き戻しにある。
SPGⅡの条件でやれば多分62~63の間になるんじゃなかろうか・・・

2017年8月1日火曜日

やっぱりいいね

 320番の次は600番を掛ける。
やっぱり磨きやすい。ペーパーの掛かりがえらくいい。

 ブレードバックとリカッソ下の面を取る。
どの程度丸めるかって、案外難しいもんだな・・・

 RWL34の生材の硬さを測ってみた。
HRcで21ぐらいか。
ATS34の生材でおよそ20前後なので、特別柔らかいわけではない。
なんで磨きやすいのかと考えると、炭化物の硬さがそれほどでもない事と、その粒度が小さいからなのかもしれない。
RWL34はVが0.2%と、S30VやSPG2から比べると少ない。炭化物はMo主体なので、Vの炭化物から比べると硬さは低い。
ペーパーの掛かりは研磨粒子が炭化物の粒度に近くなると途端に悪くなる様だ。
ATS34は一次炭化物が大きく、Mo主体の炭化物とはいえ、ある程度の硬さはある。
RWL34は顕微鏡で観察する限り、分布する炭化物粒度は概ね5μm程度と思われる。低番手のペーパーの掛かりはいいのかもしれない。
問題は熱処理後に高番手のペーパーの掛かりがどうなんだろか。
磨きやすいとありがたいな・・・

2017年7月25日火曜日

使えるぞ

 ロックウェル硬さ試験機を設置した。
設置といっても事務所二階の休憩室の床に置いただけだが・・・
結局のところ、この置き方が一番安定してよかった。

 モノタロウで10%引きだったので、硬さ基準片を買ってみた。
HRcで60.2あるらしい。
これと比較して使えばよかろう・・・

硬さ試験機は操作する部分は、試験片を圧子に押し付けるテーブルの上下ネジの他に、ダイヤルゲージの0調整のツマミと試験荷重を掛けるためのレバーが付いてる。

 使い方は試験片が圧子に接触しない状態でダイヤルゲージを0にする。
次にテーブルを上げて試験片に圧子を接触させてる。
さらにテーブルを上げて、この試験機の場合はダイヤルゲージが3回転したところで止める。0より±5以内に止めればいい。これで基準荷重が掛かる。
ここでダイヤルゲージを0に合わせる。
試験荷重レバーを倒して荷重を掛ける。
荷重が掛かり切った状態で約3秒待ってレバーを戻す。
再び基準荷重になってダイヤルゲージの指針が測定値になる。




硬さ基準片を計測したら、指針は実際の値より約1低く出てる事が分かった。
以前横哲さんに測ってもらった試験片を片っ端から計測してみたら、ほぼ相関が取れた。HRc60近辺なら表示に1足せば実際の値になる。
インド製で状態も?な代物だったが、十分使える事が確認できた。

しかし実際使ってみて改めて思うが、HRc硬さ試験って微妙なものだ。
2/1000㎜台の寸法変化を測定する訳だから、ちょっとした外乱が測定に影響する。
一か所や二か所測定しただけじゃ正確な値は分からないので、最低でも5か所ぐらいは測定して平均を取った方がいい。
試験片の面粗度や裏表の平行度も影響する。

所詮硬さは熱処理の結果の一つでしかない。
肝心なのは熱処理条件がどの様に設定されているかだ。
条件の違いから硬さの変化が分かれば、靭性など他の部分も見えてくる。
くだらぬ事かもしれないけど、より本質を知りたい・・・




2017年7月13日木曜日

使えるのか?

ベテランナイフメーカーからロックウェル硬さ計を借りてきた。
使い方が分からなくて放っぽってあったらしい。
「使い方分かったら硬さ測定頼むよ~w」って事で、無期限貸与してくれた。ありがたや~
大きさはそれほどでもないが、筐体は鋳鉄で出来ていてえらく重たい。
地下工房から運び出すのが大変だった。
返すのめんどくさいから、無期限貸与で助かったw









インド製なのか・・・?
何種類かのロックウェルスケールが使えるらしい。




掃除がてらカバーを開けてみた。
構造は非常に簡単だ。
天秤とダイヤルゲージの組み合わせだ。

模式図にするとこんな構造になっている。
ロックウェルcスケール硬さは、試験片に先端0.2㎜半径120°角度の円錐状ダイヤモンド圧子を加重を掛けてめり込ませて、その塑性変形の長さを測る。
測定は先ず10㎏fの加重を掛けて、この点をダイヤルゲージを0にする。
次に荷重を150㎏f掛けて、また10㎏fに戻す。
この時のダイヤルゲージの値を読む。
ダイヤモンド圧子のめり込んだ長さをhとすると
HRc=100-500h
となる。
計算上hが0.08㎜だとHRcで60だ。
HRcで1の違いは2/1000㎜(2μm)になる。


荷重の分銅切り替えはこんな構造になってる。
側面に付いてるレバーで150㎏fの試験荷重が掛かる様になっている。油圧のダッシュポットが付いていて、荷重はゆっくり掛かる。


10㎏fの基準荷重の掛け具合と、150㎏fの試験荷重の掛ける時間が今一分からないが、何となく測定はできるみたいだ。
クリープの影響があるので、試験荷重を掛ける時間は一定にする必要があるはずだ。時間をかけすぎると、めり込み量が多くなって硬さが低く出る。
一目盛2/1000㎜の測定なので、周りからの振動がかなり影響する。温度もかなり関わってくると思う。
試験片の表面粗さや厚さと大きさも影響すると思われる。
もともとHRc硬さ測定はかなり微妙なものだと思っていたが、正確な測定をするのはなかなかめんどくさそうだ。
とりあえず使えそうなので、ちゃんと設置してみよう。
硬さも定量的に自分で比べる事ができれば、さらに面白いところが見れそうだw


2017年1月25日水曜日

そういう事か

 スーパーゴールドⅡ、S30V、カウリYと使ってみたが、同一の熱処理条件だと硬さは概ね
S30V<SPGⅡ<カウリY
の順であった。
炭化物傾向の大きいVの含有量が多いと、焼き入れ温度を高くする必要があるのでそのためかと思っていた。
しかし理由はそれだけではないのかもしれない。
 画は含有元素に対するマルテンサイトに変態するための臨界冷却速度の変化のグラフ。
ステンレス鋼の焼き入れが空冷で出切るのも、Cr含有量が多く臨界冷却速度が遅くなるためだ。
一部例外があるが、合金元素の含有量が多くなると、概ね臨界冷却速度は遅くなる。
これで注目したいのはV含有量が1%を超えた場合。
1%未満は臨界冷却速度は遅いが、1%を超えると極端に速くなる。
SPGⅡ、S30V、カウリYともVやMoの含有量が多く、焼入れ温度が高めでないと硬さが十分出ない事は色々やってみて分かった事なのだが、それ以外に冷却速度も影響しているのかもしれない。
そういえばS30Vのデーターシートの条件は油冷になっている。
武生のSPGⅡの資料には真空炉や雰囲気炉を使用して熱処理を行う場合、HRc硬さが1~2低くなると書かれている。
真空炉の場合は冷却はガス噴出による空冷だ。冷却速度が遅い。
・・・と思ってクルーシブルのS30Vのデーターシートをよく読んでみたら書いてあるだな・・・
真空または大気冷却は最大でHRc1~2下がる事があるってw
なるほどV含有量が多い鋼材は焼入れはソルトバスでやって、冷却は塩浴か油でやった方がいいのかもしれないな。
S30Vは硬さが出にくくて何でだろ?と思っていたが、そういう事だったか。
V含有量の多い鋼材は使いにくいだな・・・
分かってしまえばなんて事はないし、知っている人にとってはどうという事もないのかもしれない。
しかし実際やってみて分かるから面白いんだよな。
だから飽きずに続けてるのかもしれないw

2016年9月19日月曜日

硬いだな・・・

カウリYのドロップはマトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理してみた。
硬さを測ってもらったらHRc65もあった。タングに5か所計測した痕跡がある。おそらく平均を取ったのだろう。
データーシートではここまで硬さは出ないのだが、おそらデーターシートの値はサブゼロなしの条件なのだろう。
高温焼き戻しで62だったので、低温焼き戻しだとこのぐらいなのかもしれない。

SPGⅡとは比較的組成は似ているが、V含有量がSPGⅡが2%なのに対しカウリYは1%と低い。
VやMoの様な炭化物傾向の大きな元素が多く含有すると、焼き入れ温度を高くする必要がある。
SPGⅡは高温焼き戻しでHRc60、低温焼き戻しで61程度となる。
ちょっとした違いであるが、硬さがこれだけ違いが出るのが面白い。



磨いてみた。先ずは600番で酸化被膜を落として、次は1000番。
確かに硬い。サラサラしている。
しかし磨きにくい事はない。変に耐摩耗性がよすぎる感もない。
表面を観察する限りでは炭化物は比較的細かそうだ。



とりあえず2000番までやって終わり。
ここまで硬いと粘りがどうなのか気になる。ヘタすると脆くて使い物にならないかもしれない。
しかし熱処理前の生材の状態で、ATS34などと同じ程度の粘りがあったから大丈夫なのかもしれない。
基本的に生材で粘りがない鋼材は、熱処理しても粘りはなく脆い特性になる。
まあ使ってみなければ分からないけどねw

2016年8月24日水曜日

意外といい?

熱処理から戻ってきた。
カウリYだがマトリックスアイダでATS34として出していた。
無理を言って特別に硬さを測定してもらった。
高温焼き戻しなので60もいってれば上等と思っていたら、意外と高くて驚いた。
SPGⅡよりVの含有量が少ないので、硬さを出すには有利なのかもしれない。
とは言えMo・Vの含有量は多いので、焼き入れ温度が高い必要はある。マトリックスアイダの熱処理条件は思った通りちょうどよかった様だ。

 三か所測定して平均を取ったか。
マトリックスアイダの熱処理業者の硬さ測定は、実際より控えめに出る。(横哲さんの勤めていた会社の校正された硬さ測定で確認している)

高C高Crのステンレス鋼やD2の様な鋼材は焼き戻し温度が230℃付近が硬さと靭性のバランスがいい。
しかし二次硬化する鋼材なら、高温焼き戻しで二次硬化させた方がさらに靭性は上がる。
短期的な切れ味なら低温の焼き戻しで硬さを高くするのがいい。
長切れさせるには疲労強度を上げなければいけないので、靭性を高める必要がある。
硬さと靭性のバランスが重要だ。


とりあえず600番を掛ける。
今回は酸化被膜がえらいだな・・・



とりあえず酸化被膜を落とした。
酸化被膜が付いていると錆びの原因になるので、なるべく早く落としてしまった方がいい。
さてここから先の研磨がどうか。
S30Vみたいに炭化物がでかいと嫌だな・・・w

2014年12月31日水曜日

使い分ける

 三本ともブレードはスーパーゴールドⅡを使ってる。
熱処理条件が三本とも違う。
ブラックリネンとタンキャンバスのドロップは真空炉で、ブラックリネンが高温焼戻しで、タンリキャンバスが低温焼戻し。
鹿角ハンドルのスキナーがソルトバスだが、焼入れ温度は真空炉とほぼ同じだが、焼戻し温度がタンキャンバスよりさらに低い。
テストピースで測定した結果では、ブラックリネンがHRcで60、タンキャンバスが61程度。スキナーは分からないが、研いだ感触からすると62弱程度と思われる。
ブレード形状の違いやエッジ厚の違いもあるので定量的ではないが、使い比べて切味と刃持ちの違いを見てみる。
研ぎ方は同じだし、小刃の角度もほぼ同じに研いである。
先ずはコピー用紙を切ってみる。
三本ともさほど変わらずにサラサラとよく切れる。
よく乾燥した孟宗竹をガリガリ削ってみる。
鋼材の硬さの違いで切味は変わるのか?・・・三本ともさほど変わりは感じない。よく切れるしよく削れる。
散々竹を削った後にコピー用紙を切ってみた。
三本ともまだサラサラと切れた。
最初の刃の立った切味ではないが、まだ十分な切味だ。
三本とも硬さは確実に違うはずだが、切味には違いが見られない。
もっと硬い物を切らないと分からないか?
確かに猟で使っていても、形状による使い勝手の違いはあれど、切味や刃持ちに大きな違いは感じてなかった。
スーパーゴールドⅡはちょっと面白い特性があるが、三本ともそれが現れているのかもしれない。
高温焼戻しが何のメリットがあるか?・・・って事になるが、硬さが低くなる分以上に靭性が大きくなる事にある。
靭性が大きければ、より薄いブレードに出来る。(靭性が低いと大きく欠ける心配があるので、あまり薄い構造には向かない)
鉈や大型ナイフ、または小さな薄いナイフにもいい。
一つの鋼材でも使い方に幅を持たせられる。熱処理を使い分けるのも手だと思ってる・・・



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