HAP40の包丁研いでみた。
なんだか砥石の掛かりが悪い・・・
硬いのか耐摩耗性がよすぎるのか・・・両方って感じだな。
1000番→5000番→12000番と掛ける。
刃先の一部だけちょっとエッチングして、顕微鏡で観察してみた。
研磨が今一なのと平面でないのでちっと分かりにくいが、まあ炭化物の様子だけは知る事が出来た。
600倍で横幅がちょうど100μm。
思ったより炭化物は細かかった。見えるのは概ね3μm前後の大きさの様だ。粉末鋼である事は間違いないな。
やや不規則な形をしているが、ナイフや包丁に使うには悪くなさそうだ。
ついでに刃先も観察してみた。
12000番の前の目が結構残ってる感じ・・・
かなり硬い感じがするし、見たところ粘りは少ない感じがする。
あまり雑な用途には向かないかもしれないが、包丁の様に無理な使い方をしない用途にはいいのかもしれない。
今度もうちょっと磨いて、エッチングも工夫して見直してみよう。基地の結晶粒も見れればいいのだが・・・
マトリックスアイダ行ったら、銀座のショーの案内もらった。
来年2月11日らしい。
行けるかな・・・
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
2017年9月2日土曜日
やっと見れた
H1は希硫酸に数日漬けたがほとんど腐食しなかった。
仕方がないので、今度は塩化第二鉄を使ってみた。
何でこんなものを持ってるかと言うと、昔電子工作をやっていてプリント基板を作るのに使っていた。
久しぶりに引っぱり出してきたら、瓶の中で潮解して上の方が液化していた・・・
今度は結構早く腐食した。
赤熱部は腐食しやすくなってるらしく、色合いが黒ずんでいる。
金属顕微鏡で組織を見た。
先ずは正常部の600倍。横の画角が約100μm。
研磨痕が残っていてはっきりとはしないが、確かに炭化物と思われるものは見えない。この倍率でははっきりしないが、基地の鉄の結晶粒界と思われる筋が見られる。
こっちは300倍。
この倍率だと基地の結晶粒界がはっきり見える。比較的大きい。
炭化物がないのでピン止め効果が効かず、熱処理で基地の結晶粒粗大化が抑えられないのかもしれない。
これは75倍。
基地の結晶粒界はある様だが、炭化物がないので全体として見ると組織は細かいと言える?・・・
確かに以前H1のナイフを使った感じでは、研ぎ上げると滑らかな刃が付いて、印象としては組織が細かそうだと思った。
しかし切れるけど長続きせず、総合的な切れ味は今一な感じがした・・・
赤熱部の600倍。
写真は研磨とエッチングの状態によりはっきりしないが、肉眼で観察する限りでは正常部とそんなに大きな違いがない。
前の投稿のコメントで書いたが、やっぱりH1って析出硬化系のステンレスなんじゃなかろうか。
析出硬化系のステンレスでこれだけ硬さの出るタイプがあるんだろうかとググったら、シリコロイXVIというのがあった。HRc57ってのも十分ありえるみたいだ。
硬さの出る原理が通常の鋼と違うので、今一特性が分からない。
炭化物がなく見た目は基地の鉄だけで出来てる様なものだ。結局砂利の入ってないセメントだけのコンクリみたいなものなんだと思う・・・
仕方がないので、今度は塩化第二鉄を使ってみた。
何でこんなものを持ってるかと言うと、昔電子工作をやっていてプリント基板を作るのに使っていた。
久しぶりに引っぱり出してきたら、瓶の中で潮解して上の方が液化していた・・・
今度は結構早く腐食した。
赤熱部は腐食しやすくなってるらしく、色合いが黒ずんでいる。
金属顕微鏡で組織を見た。
先ずは正常部の600倍。横の画角が約100μm。
研磨痕が残っていてはっきりとはしないが、確かに炭化物と思われるものは見えない。この倍率でははっきりしないが、基地の鉄の結晶粒界と思われる筋が見られる。
こっちは300倍。
この倍率だと基地の結晶粒界がはっきり見える。比較的大きい。
炭化物がないのでピン止め効果が効かず、熱処理で基地の結晶粒粗大化が抑えられないのかもしれない。
これは75倍。
基地の結晶粒界はある様だが、炭化物がないので全体として見ると組織は細かいと言える?・・・
確かに以前H1のナイフを使った感じでは、研ぎ上げると滑らかな刃が付いて、印象としては組織が細かそうだと思った。
しかし切れるけど長続きせず、総合的な切れ味は今一な感じがした・・・
赤熱部の600倍。
写真は研磨とエッチングの状態によりはっきりしないが、肉眼で観察する限りでは正常部とそんなに大きな違いがない。
前の投稿のコメントで書いたが、やっぱりH1って析出硬化系のステンレスなんじゃなかろうか。
析出硬化系のステンレスでこれだけ硬さの出るタイプがあるんだろうかとググったら、シリコロイXVIというのがあった。HRc57ってのも十分ありえるみたいだ。
硬さの出る原理が通常の鋼と違うので、今一特性が分からない。
炭化物がなく見た目は基地の鉄だけで出来てる様なものだ。結局砂利の入ってないセメントだけのコンクリみたいなものなんだと思う・・・
2017年8月9日水曜日
結構硬いな
RWL34のドロップが熱処理から上がってきた。
一本目をマトリックスアイダでCRMO7の条件で出した後、残りの一本もすぐに磨き終わってATS34の条件で出していた。
酸化被膜を落とすために600番を掛ける。
CRMO7の条件はかなり硬い感じ。
ATS34の条件もATS34と比べるとちっと硬い様だ。
硬さを測ってみた。
CRMO7の条件でHRc63.7あった。
ATS34の条件ではHRc62.2ある。
タングがATS34を熔接してあるので、この部分を測ってみると、CRMO7の条件でHRc62.5、ATS34の条件でHRc60.3だった。
組成はATS34と大きくは変わらないが、粉末鋼である事から硬さが出しやすいのかもしれない。
カウリYもCRMO7の条件でHRc65で、ATS34の条件でHRc62だった。
Vの含有が多いSPGⅡやS30Vは真空炉だと硬さが出にくい問題があったが、RWL34だとその問題はなさそうだ。
やはりVは入っていても、せいぜい1%程度に抑えてあった方が使いやすくていいな・・・
簡単にエッチングして組織を観察してみた。600倍で横の画角が約100μm。
先ずはCRMO7の条件。
こっちがATS34の条件。
熱処理条件による大きな違いは見られない。
研磨やエッチングの状態の違いはあるが、前に見た生材と基本的に炭化物の様子も変わらない。
基本的にマトリックスアイダのCRMO7とATS34の条件の違いは焼き戻しにある。
SPGⅡの条件でやれば多分62~63の間になるんじゃなかろうか・・・
一本目をマトリックスアイダでCRMO7の条件で出した後、残りの一本もすぐに磨き終わってATS34の条件で出していた。
酸化被膜を落とすために600番を掛ける。
CRMO7の条件はかなり硬い感じ。
ATS34の条件もATS34と比べるとちっと硬い様だ。
硬さを測ってみた。
CRMO7の条件でHRc63.7あった。
ATS34の条件ではHRc62.2ある。
タングがATS34を熔接してあるので、この部分を測ってみると、CRMO7の条件でHRc62.5、ATS34の条件でHRc60.3だった。
組成はATS34と大きくは変わらないが、粉末鋼である事から硬さが出しやすいのかもしれない。
カウリYもCRMO7の条件でHRc65で、ATS34の条件でHRc62だった。
Vの含有が多いSPGⅡやS30Vは真空炉だと硬さが出にくい問題があったが、RWL34だとその問題はなさそうだ。
やはりVは入っていても、せいぜい1%程度に抑えてあった方が使いやすくていいな・・・
簡単にエッチングして組織を観察してみた。600倍で横の画角が約100μm。
先ずはCRMO7の条件。
こっちがATS34の条件。
熱処理条件による大きな違いは見られない。
研磨やエッチングの状態の違いはあるが、前に見た生材と基本的に炭化物の様子も変わらない。
基本的にマトリックスアイダのCRMO7とATS34の条件の違いは焼き戻しにある。
SPGⅡの条件でやれば多分62~63の間になるんじゃなかろうか・・・
2017年6月22日木曜日
楽しみ色々
川崎さんから受注会の案内を頂いた。ありがたや~
とても刀の注文はできないが、作品展示があるみたいだから時間見つけて見学に行ってみよう。
RWL34のドロップのタングはATS34の端材を熔接してみよう。

とりあえず切り出した。
こんなもんでまあいいか・・・
RWL34の切れ端で組織を観察してみよう。
磨いてみた。
SPGⅡなどから比べると、えらく磨きやすい。
Vの炭化物が少ないからだと思うが、こうも違うと驚きだ。
ひょっとしたらATS34より磨きやすいのかもしれない・・・
600倍で観察。
横の画角がちょうど100μm。
炭化物の粒の形状は結構そろってるが、比較的大きめだ。
見えている炭化物の大きさは、概ね5μm前後の様だ。
これらはおそらくMo主体の炭化物なので、Vによるものほど耐摩耗性は高くないと思われる。
75倍で見ると・・・
横方向が鋼材の長手方向になる。
鋼材はフラットバー形状で、おそらく長手が圧延の方向だと思う。
圧延方向による組織の流れ(メタルフロー)の様なものははっきりしない。
鏡面加工性はいいと思われる。
理想から言ったらもうちょっと炭化物が小さいといいのだが、しょせん粉末鋼もこの程度がいいところなのだろう。
S30Vの様に耐摩耗性が高すぎると、砥石で手で研いで使うには使いづらい。
Vが2%以上含有していると焼入れ温度が高い必要があったり、真空炉では硬さが出にくくなったりで使いにくい。
SPGⅡ、S30V、カウリYと使い比べてみて分かったが、Vが1%程度のカウリYが癖がなく一番使いやすかった。
しかしカウリYはもう製造されてないので仕方がない。
そんな中で期待したのがRWL34だった。
どんなものなのかは実際使ってみないと分からない。
ちょっと楽しみだw
とても刀の注文はできないが、作品展示があるみたいだから時間見つけて見学に行ってみよう。
RWL34のドロップのタングはATS34の端材を熔接してみよう。
とりあえず切り出した。
こんなもんでまあいいか・・・
RWL34の切れ端で組織を観察してみよう。
磨いてみた。
SPGⅡなどから比べると、えらく磨きやすい。
Vの炭化物が少ないからだと思うが、こうも違うと驚きだ。
ひょっとしたらATS34より磨きやすいのかもしれない・・・
600倍で観察。
横の画角がちょうど100μm。
炭化物の粒の形状は結構そろってるが、比較的大きめだ。
見えている炭化物の大きさは、概ね5μm前後の様だ。
これらはおそらくMo主体の炭化物なので、Vによるものほど耐摩耗性は高くないと思われる。
75倍で見ると・・・
横方向が鋼材の長手方向になる。
鋼材はフラットバー形状で、おそらく長手が圧延の方向だと思う。
圧延方向による組織の流れ(メタルフロー)の様なものははっきりしない。
鏡面加工性はいいと思われる。
理想から言ったらもうちょっと炭化物が小さいといいのだが、しょせん粉末鋼もこの程度がいいところなのだろう。
S30Vの様に耐摩耗性が高すぎると、砥石で手で研いで使うには使いづらい。
Vが2%以上含有していると焼入れ温度が高い必要があったり、真空炉では硬さが出にくくなったりで使いにくい。
SPGⅡ、S30V、カウリYと使い比べてみて分かったが、Vが1%程度のカウリYが癖がなく一番使いやすかった。
しかしカウリYはもう製造されてないので仕方がない。
そんな中で期待したのがRWL34だった。
どんなものなのかは実際使ってみないと分からない。
ちょっと楽しみだw
2017年4月23日日曜日
ちっとは楽するか・・・
去年バーキングを貰った頃とほぼ同じ時期に、猟仲間から汎用のベルトグラインダーを貰っていた。
なんでも榊原さんがその昔使ってたものなんだとか。
猟仲間はナイフマガジンに榊原さんの追悼特集があった時に、「ハンターのK氏」として記事に登場した人だ。
ベルトが一般的な汎用ベルトグラインダーの物が使えず、専用じゃないといけないので、しばらく放っぽらかしてあった。
先日モノタロウで買い物があったので、ついででベルトを買ってみた。
外形成形するのに使ってみた。
さすがに機械を使うと楽でいいなw
バーキングのベルトはちっと高価だから、外形切削や粗削りにこれ使ってみるのもいいかもしれないな。
細かいところはヤスリで仕上げ。
やっぱり基本は鉄工ヤスリだなw
今日も何種類かテストピースを切り出す。
先ずはBG42 横の画角が100μm。
ATS34に組成が似ていて、耐食性ベアリング用鋼らしい。
確か溶製鋼のはずだが、粉末鋼ぽくも見えるだな・・・なんだろか?
積層のVG10
75倍で撮影。
確認してないが、横の画角でおそらく800μm程度だと思う。
皮金の縞は数えたら16層だった。
積層VG10の芯金部600倍、横100μm。
無垢材と比べると若干全体的に炭化物が細かいか・・・
しかし一次炭化物と思われるものは、それほど細かくなってる感じはないな。
コアレス
75倍で撮影。
確かVG2とVG10の積層なんだっけか?
でかい炭化物が多い層がVG10で、少ない層がVG2なのだろう。
コアレスの600倍。
でかい一次炭化物がゴロゴロしている部分がVG10層だと思われる。
エッチングの問題もあるのかもしれないが、層の境界は明確ではない。
VG10の無垢材と比べると一次炭化物以外はかなり細かくなっている様だ。積層VG10より細かそうだ。
コアレスだと圧延比が相当掛かっているので、VG10とはいえ別物に近いのかもしれない。しかし一次炭化物の微細化には限界があるんだな・・・
青紙クラッド鋼の75倍撮影。
下の層が芯金の青紙鋼で、上の層が皮金になる。
皮金はステンレスだと聞いたが、鋼種はなんだろか・・・?
青紙芯金部の600倍撮影。
表面研磨とエッチングの問題で、ちょっと不明瞭であるが、大きな炭化物や介在物は見られず、組織はかなり細かそうだ。
鍛造せずとも削り出しでも十分使えそうだ。
なんでも榊原さんがその昔使ってたものなんだとか。
猟仲間はナイフマガジンに榊原さんの追悼特集があった時に、「ハンターのK氏」として記事に登場した人だ。
ベルトが一般的な汎用ベルトグラインダーの物が使えず、専用じゃないといけないので、しばらく放っぽらかしてあった。
先日モノタロウで買い物があったので、ついででベルトを買ってみた。
外形成形するのに使ってみた。
さすがに機械を使うと楽でいいなw
バーキングのベルトはちっと高価だから、外形切削や粗削りにこれ使ってみるのもいいかもしれないな。
細かいところはヤスリで仕上げ。
やっぱり基本は鉄工ヤスリだなw
今日も何種類かテストピースを切り出す。
先ずはBG42 横の画角が100μm。
ATS34に組成が似ていて、耐食性ベアリング用鋼らしい。
確か溶製鋼のはずだが、粉末鋼ぽくも見えるだな・・・なんだろか?
積層のVG10
75倍で撮影。
確認してないが、横の画角でおそらく800μm程度だと思う。
皮金の縞は数えたら16層だった。
積層VG10の芯金部600倍、横100μm。
無垢材と比べると若干全体的に炭化物が細かいか・・・
しかし一次炭化物と思われるものは、それほど細かくなってる感じはないな。
コアレス
75倍で撮影。
確かVG2とVG10の積層なんだっけか?
でかい炭化物が多い層がVG10で、少ない層がVG2なのだろう。
コアレスの600倍。
でかい一次炭化物がゴロゴロしている部分がVG10層だと思われる。
エッチングの問題もあるのかもしれないが、層の境界は明確ではない。
VG10の無垢材と比べると一次炭化物以外はかなり細かくなっている様だ。積層VG10より細かそうだ。
コアレスだと圧延比が相当掛かっているので、VG10とはいえ別物に近いのかもしれない。しかし一次炭化物の微細化には限界があるんだな・・・
青紙クラッド鋼の75倍撮影。
下の層が芯金の青紙鋼で、上の層が皮金になる。
皮金はステンレスだと聞いたが、鋼種はなんだろか・・・?
青紙芯金部の600倍撮影。
表面研磨とエッチングの問題で、ちょっと不明瞭であるが、大きな炭化物や介在物は見られず、組織はかなり細かそうだ。
鍛造せずとも削り出しでも十分使えそうだ。
2017年4月22日土曜日
色々見てみる
手持ちの鋼材をちょいと調べてみた。
妙なの結構出てきたな・・・
とりあえずいくつか見てみよう。
コンターあると楽だなw
表面磨く・・・結構めんどくさいw
廃バッテリーの電解液でエッチング・・・
いつもと同じで対物40倍接眼15倍、横の画角がちょうど100μm。
先ずはVG10
よくATS34と比較されるVG10だが、一次炭化物の粒度や分布には極端な違いはない様に感じる。
これは無垢材なので、クラッドになってさらに圧延が掛かってるものだと、もうちょっとちがうのかもしれない。
しかし一次炭化物の粉砕微細化には限界があるので、大きな改善は期待できないだろうけど・・・
去年関の刃物まつりで買ってきたCoS(武生のコバルトスペシャル)
Coが2.5%も入ってるらしいが、真空炉で硬さでるんだろうか・・・?
440C
まあこんなもんか・・・
VG10、CoS、440Cとも、一次炭化物を含む典型的な溶製鋼の組織をしている。まあこんなもんなんだな・・・
大同1K6
0.6C 13Crの系統なので、巨大な一次炭化物がほとんどない。
溶製鋼のなかじゃ、かなり炭化物が細かいだな。結構いい鋼材かもしれない。
問題は焼入れ温度が低めなんだよな・・・
最後はSK3
買ってきた板材そのままなので、こんなもんか・・・
適切な鍛造をすれば、もっと炭化物は細かくなるんだろな。
炭素鋼はいいな・・・
妙なの結構出てきたな・・・
とりあえずいくつか見てみよう。
コンターあると楽だなw
表面磨く・・・結構めんどくさいw
廃バッテリーの電解液でエッチング・・・
いつもと同じで対物40倍接眼15倍、横の画角がちょうど100μm。
先ずはVG10
よくATS34と比較されるVG10だが、一次炭化物の粒度や分布には極端な違いはない様に感じる。
これは無垢材なので、クラッドになってさらに圧延が掛かってるものだと、もうちょっとちがうのかもしれない。
しかし一次炭化物の粉砕微細化には限界があるので、大きな改善は期待できないだろうけど・・・
去年関の刃物まつりで買ってきたCoS(武生のコバルトスペシャル)
Coが2.5%も入ってるらしいが、真空炉で硬さでるんだろうか・・・?
440C
まあこんなもんか・・・
VG10、CoS、440Cとも、一次炭化物を含む典型的な溶製鋼の組織をしている。まあこんなもんなんだな・・・
大同1K6
0.6C 13Crの系統なので、巨大な一次炭化物がほとんどない。
溶製鋼のなかじゃ、かなり炭化物が細かいだな。結構いい鋼材かもしれない。
問題は焼入れ温度が低めなんだよな・・・
最後はSK3
買ってきた板材そのままなので、こんなもんか・・・
適切な鍛造をすれば、もっと炭化物は細かくなるんだろな。
炭素鋼はいいな・・・
2017年4月20日木曜日
D2って・・・
D2(日立のSLD)のテストピースを作った。
マトリックスアイダでD2の条件とATS34の条件で熱処理してもらった。
先ずは生材の組織を。
横の画角がちょうど100μm。
たまたま一次炭化物の濃い部分を撮影した事もあって、えらくでっかい炭化物が沢山写ってる。大きなものでは20μm近くありそうだ。
横方向が圧延方向になる。この大きさでは拡大しすぎて分かりにくいが、倍率を低くすると圧延方向に縞模様になっている。
Ⅾ2の条件で熱処理。
エッチングの具合や撮影箇所の都合で、生材と雰囲気が違うが、基本的に大きな違いはない。
ATS34の条件で熱処理。
ちょっとわかりにくいが基地の鉄にひび割れの様なものが見られる。
SLDをATS34の条件で焼入れすると過熱になる。
基地の結晶が成長して、粒界がひび割れの様に写っている。なんでこんな事をやってるかというと、これが見たかったから。
もうちょっとはっきり写真に撮りたかったが、表面の研磨とエッチングに工夫が必要だな・・・
D2は炭化物の主体がCrによるものなので、炭化物自体はMoやVなどのものから比べると硬さは低い。研ぎやすいとよく言われるが、そういった部分も影響しているんだと思う。
一次炭化物はでかくて量も多い。繊細な刃付けには向かないだろう。ザラっと研いで使うのがよさそうだ。
炭化物がジャリジャリしているので、基地の硬さと粘りのバランスが取れてないといけない。積極的に二次硬化する鋼種でないので、230℃近辺で焼き戻すのがいいのかもしれない。
マトリックスアイダのD2の熱処理はなかなかいいと聞くが、案外そんなところなのかもしれない。
マトリックスアイダでD2の条件とATS34の条件で熱処理してもらった。
先ずは生材の組織を。
横の画角がちょうど100μm。
たまたま一次炭化物の濃い部分を撮影した事もあって、えらくでっかい炭化物が沢山写ってる。大きなものでは20μm近くありそうだ。
横方向が圧延方向になる。この大きさでは拡大しすぎて分かりにくいが、倍率を低くすると圧延方向に縞模様になっている。
Ⅾ2の条件で熱処理。
エッチングの具合や撮影箇所の都合で、生材と雰囲気が違うが、基本的に大きな違いはない。
ATS34の条件で熱処理。
ちょっとわかりにくいが基地の鉄にひび割れの様なものが見られる。
SLDをATS34の条件で焼入れすると過熱になる。
基地の結晶が成長して、粒界がひび割れの様に写っている。なんでこんな事をやってるかというと、これが見たかったから。
もうちょっとはっきり写真に撮りたかったが、表面の研磨とエッチングに工夫が必要だな・・・
D2は炭化物の主体がCrによるものなので、炭化物自体はMoやVなどのものから比べると硬さは低い。研ぎやすいとよく言われるが、そういった部分も影響しているんだと思う。
一次炭化物はでかくて量も多い。繊細な刃付けには向かないだろう。ザラっと研いで使うのがよさそうだ。
炭化物がジャリジャリしているので、基地の硬さと粘りのバランスが取れてないといけない。積極的に二次硬化する鋼種でないので、230℃近辺で焼き戻すのがいいのかもしれない。
マトリックスアイダのD2の熱処理はなかなかいいと聞くが、案外そんなところなのかもしれない。
2017年4月4日火曜日
補足
前回貼った組織写真の補足。
ATS34
生材と熱処理条件の違う写真を撮ったが、若干の様子が違う様に写ってる。表面研磨やエッチング、観察箇所の違いにより写りに変化があるが、基本的にどれも生材と様子は同じである。
適正範囲で熱処理されていれば、熱処理の前後では大きな違いは見られない様だ。
過熱があれば基地の鉄の結晶粒度が大きくなって網状の模様が出ると思われるが、どれも適正範囲であるのでその様なものは見られない。
大きな不規則な形状で白く写っているのが、共晶炭化物とか一次炭化物と呼ばれるもの。
基本的に加熱しても溶ける寸前まで変化はしない。通常の熱処理では変わる事がない。
ATS34の場合で大きい物で10数μmの物がゴロゴロ分布している。
若干濃淡があり分布にはバラつきがある。
炭化物は硬く脆い。耐摩耗性に寄与するが刃先に巨大な炭化物が出る場合、欠けたり脱落しやすいので、精緻な刃付けには向かなくなる。
一次炭化物は溶製の高合金鋼は宿命の様なもので、大なり小なり大抵のステンレス刃物鋼には存在する。
CRMO7
剃刀用鋼という事で結構組織は細かい。
一次炭化物がないという事がうたい文句になっているが、観察すると明らかに一次炭化物と思われる大きめの炭化物が所々に見られる。
概ね3μm前後ではあるが、ところによっては10μm近くあるものも見られる。
自分の持っていたCRMO7がたまたま大きな炭化物を含む物だった可能性もあるが、経験的に今までいくつか使ったCRMO7で磨いたブレード表面に、ATS34程ではないが僅かに縞模様が出る物があった。
炭化物の濃淡が圧延方向に模様として出ているのでは?と考えていたが、どうやら一次炭化物が僅かながら含まれているからだったのだろう。
剃刀材の場合は0.何㎜厚のリボン状に圧延しているので、ナイフ用の帯鋼材とでは圧延比も違うだろうから、組織の細かさに違いがあるのかもしれない。
CRMO7はMo含有量が炭素量の割に多いので、焼入れ温度は高目にする必要がある様だ。
ZDP189
熱処理条件の違う3枚を載せたが、若干様子が違う様に見えるが、これもエッチングや観察箇所の微妙な違いでそう見えるだけで、実際にはそれほど大きな変化はない。
目につくのは3μm前後の丸い炭化物で、それなりに一様に分布している。
粉末鋼のもとになるガスアトマイズによる粉末の粒度は概ね100~300μmらしい。
おそらくこの3μm前後の炭化物は溶製鋼の一次炭化物に相当するのだろう。
一次炭化物の様に簡単には固溶しないのであれば、ピン止め効果で基地の鉄の結晶成長を阻止できる。
HIP処理で固める事ができるのも、これが効果的に働いているからなのだろう。
ZDP189は炭素量に対してCr以外の合金含有量は少ない。
炭化物の多くはCrによるものなので、それほど硬いものでなく耐摩耗性がよすぎるわけでもない。
それとZDP189は基本的に焼き入れ温度は比較的低い。
マトリックスアイダのATS34の熱処理条件は焼入れ温度が高目で、ZDP189にはオーバーヒートになるのではと思っていたが、組織はとくに過熱による異常は見られない。
これも炭化物によるピン止め効果によるものなのだろう。おそらくHIP処理温度までは焼入れ温度を上げても問題ないと思われる。
SPGⅡ
これも生材と熱処理したもので若干様子が違う様に見えるが、本質的には違いはない。
ZDP189に比較して、見える炭化物は形状がやや不規則で、分布もややムラがある。
V含有量が2%程度あるので炭化物はかなり硬い。
SPGⅡはものにより磨きにくい事があるが、もしかしたら炭化物の形状や分布にバラつきがあるのかもしれない。
SPGⅡは実際使っていると刃先が明らかに劣化してきていると思われるのに、何故かまだよく切れると言う事がある。
多分刃先が劣化してきても、硬い炭化物が出てきて切れ味に寄与しているんだと思う。
単純に比較はできないがSPGⅡはATS34とS30Vの中間的な位置付けになるんじゃないかと感じてる。
S30V
使った感じでは炭化物がかなり大きいんじゃないかと思っていたが、実際はそれほどではなかった様だ。
V含有量が4%にもなるので、炭化物は非常に硬いものが大量に分布しているのだろう。
基地の鉄自体はそれ程硬くはないが、硬い炭化物が大量にあるため切れ味はこれによるもので、ちょっと癖がある。SPGⅡをかなり極端にした印象だ。
カウリY
思ったより炭化物が大きめだ。
形状は比較的揃っていて、分布も比較的均一の様だ。
カウリYで作った感じは、磨きやすく変に癖がなく扱いやすい印象だった。
実際使った感じは、研ぎやすくそこそこ長切れして使いやすい。
Vは1%程度の含有なので、硬い炭化物の量は抑えられているからなのかもしれない。
ATS34、SPGⅡ、S30Vと比較するなら、ATS34に近い感じだ。
V量が抑えられているので熱処理で硬さは出やすい。極低温の焼き戻しだとHRc65程度出て、二次硬化する高温焼き戻しなら62程度になる様だ。
錆びるという程ではないが、水分が表面に付着したままだと、曇る様に極薄く腐食する事がある。何故かは分からない・・・
自分にとってはかなり理想に近い鋼材だ。しかしもう入手できないのが残念。
カウリX
組成が似ているはずのZDP189から比較すると、炭化物の形状が不規則だ。
ZDP189とは使った感触は結構違いがあるのかもしれない。
カウリYと同じメーカーの鋼材なのに、炭化物の形状や分布の状態が違うのが興味深い。
CV134
炭素量とVの含有量が多いので、硬い一次炭化物がジャリジャリしているんだろうとは思っていた。
研ぎ上げて滑らかな刃を付ける用途には向きそうにない。そもそも砥石を使って手で研ぐには大変そうだ。
用途によってはいいのかもしれないが、自分の好みではないな・・・
組長の娘さんに使ってもらってるHMS67の小ナイフ。
ワンコ用の鹿ジャーキー作るのに猟期中使ってた。
解体に使ってたわけじゃないのでそれほど刃は傷んでなかった。なかなか使い方も上手かったってのもあるみたいだ。
案外HMS67がナイフ用に手に入るステンレス鋼の中では、一番組織が細かいかもしれない。
より炭素鋼に近い組織のステンレス・・・そんなものがあればいいのだが・・・
ATS34
生材と熱処理条件の違う写真を撮ったが、若干の様子が違う様に写ってる。表面研磨やエッチング、観察箇所の違いにより写りに変化があるが、基本的にどれも生材と様子は同じである。
適正範囲で熱処理されていれば、熱処理の前後では大きな違いは見られない様だ。
過熱があれば基地の鉄の結晶粒度が大きくなって網状の模様が出ると思われるが、どれも適正範囲であるのでその様なものは見られない。
大きな不規則な形状で白く写っているのが、共晶炭化物とか一次炭化物と呼ばれるもの。
基本的に加熱しても溶ける寸前まで変化はしない。通常の熱処理では変わる事がない。
ATS34の場合で大きい物で10数μmの物がゴロゴロ分布している。
若干濃淡があり分布にはバラつきがある。
炭化物は硬く脆い。耐摩耗性に寄与するが刃先に巨大な炭化物が出る場合、欠けたり脱落しやすいので、精緻な刃付けには向かなくなる。
一次炭化物は溶製の高合金鋼は宿命の様なもので、大なり小なり大抵のステンレス刃物鋼には存在する。
CRMO7
剃刀用鋼という事で結構組織は細かい。
一次炭化物がないという事がうたい文句になっているが、観察すると明らかに一次炭化物と思われる大きめの炭化物が所々に見られる。
概ね3μm前後ではあるが、ところによっては10μm近くあるものも見られる。
自分の持っていたCRMO7がたまたま大きな炭化物を含む物だった可能性もあるが、経験的に今までいくつか使ったCRMO7で磨いたブレード表面に、ATS34程ではないが僅かに縞模様が出る物があった。
炭化物の濃淡が圧延方向に模様として出ているのでは?と考えていたが、どうやら一次炭化物が僅かながら含まれているからだったのだろう。
剃刀材の場合は0.何㎜厚のリボン状に圧延しているので、ナイフ用の帯鋼材とでは圧延比も違うだろうから、組織の細かさに違いがあるのかもしれない。
CRMO7はMo含有量が炭素量の割に多いので、焼入れ温度は高目にする必要がある様だ。
ZDP189
熱処理条件の違う3枚を載せたが、若干様子が違う様に見えるが、これもエッチングや観察箇所の微妙な違いでそう見えるだけで、実際にはそれほど大きな変化はない。
目につくのは3μm前後の丸い炭化物で、それなりに一様に分布している。
粉末鋼のもとになるガスアトマイズによる粉末の粒度は概ね100~300μmらしい。
おそらくこの3μm前後の炭化物は溶製鋼の一次炭化物に相当するのだろう。
一次炭化物の様に簡単には固溶しないのであれば、ピン止め効果で基地の鉄の結晶成長を阻止できる。
HIP処理で固める事ができるのも、これが効果的に働いているからなのだろう。
ZDP189は炭素量に対してCr以外の合金含有量は少ない。
炭化物の多くはCrによるものなので、それほど硬いものでなく耐摩耗性がよすぎるわけでもない。
それとZDP189は基本的に焼き入れ温度は比較的低い。
マトリックスアイダのATS34の熱処理条件は焼入れ温度が高目で、ZDP189にはオーバーヒートになるのではと思っていたが、組織はとくに過熱による異常は見られない。
これも炭化物によるピン止め効果によるものなのだろう。おそらくHIP処理温度までは焼入れ温度を上げても問題ないと思われる。
SPGⅡ
これも生材と熱処理したもので若干様子が違う様に見えるが、本質的には違いはない。
ZDP189に比較して、見える炭化物は形状がやや不規則で、分布もややムラがある。
V含有量が2%程度あるので炭化物はかなり硬い。
SPGⅡはものにより磨きにくい事があるが、もしかしたら炭化物の形状や分布にバラつきがあるのかもしれない。
SPGⅡは実際使っていると刃先が明らかに劣化してきていると思われるのに、何故かまだよく切れると言う事がある。
多分刃先が劣化してきても、硬い炭化物が出てきて切れ味に寄与しているんだと思う。
単純に比較はできないがSPGⅡはATS34とS30Vの中間的な位置付けになるんじゃないかと感じてる。
S30V
使った感じでは炭化物がかなり大きいんじゃないかと思っていたが、実際はそれほどではなかった様だ。
V含有量が4%にもなるので、炭化物は非常に硬いものが大量に分布しているのだろう。
基地の鉄自体はそれ程硬くはないが、硬い炭化物が大量にあるため切れ味はこれによるもので、ちょっと癖がある。SPGⅡをかなり極端にした印象だ。
カウリY
思ったより炭化物が大きめだ。
形状は比較的揃っていて、分布も比較的均一の様だ。
カウリYで作った感じは、磨きやすく変に癖がなく扱いやすい印象だった。
実際使った感じは、研ぎやすくそこそこ長切れして使いやすい。
Vは1%程度の含有なので、硬い炭化物の量は抑えられているからなのかもしれない。
ATS34、SPGⅡ、S30Vと比較するなら、ATS34に近い感じだ。
V量が抑えられているので熱処理で硬さは出やすい。極低温の焼き戻しだとHRc65程度出て、二次硬化する高温焼き戻しなら62程度になる様だ。
錆びるという程ではないが、水分が表面に付着したままだと、曇る様に極薄く腐食する事がある。何故かは分からない・・・
自分にとってはかなり理想に近い鋼材だ。しかしもう入手できないのが残念。
カウリX
組成が似ているはずのZDP189から比較すると、炭化物の形状が不規則だ。
ZDP189とは使った感触は結構違いがあるのかもしれない。
カウリYと同じメーカーの鋼材なのに、炭化物の形状や分布の状態が違うのが興味深い。
CV134
炭素量とVの含有量が多いので、硬い一次炭化物がジャリジャリしているんだろうとは思っていた。
研ぎ上げて滑らかな刃を付ける用途には向きそうにない。そもそも砥石を使って手で研ぐには大変そうだ。
用途によってはいいのかもしれないが、自分の好みではないな・・・
ワンコ用の鹿ジャーキー作るのに猟期中使ってた。
解体に使ってたわけじゃないのでそれほど刃は傷んでなかった。なかなか使い方も上手かったってのもあるみたいだ。
案外HMS67がナイフ用に手に入るステンレス鋼の中では、一番組織が細かいかもしれない。
より炭素鋼に近い組織のステンレス・・・そんなものがあればいいのだが・・・
2017年3月25日土曜日
ちゃんと撮影
うちからちょっと行ったところにビクセンがあるので、EOS用のTリングを買ってきた。
しかし顕微鏡用のアダプターのネジピッチは1.0mmなのに対し、Tリングは0.75mmらしい。
そのままじゃ使えないよとの事だったが、最悪削って接着しちゃえばいいやって事で買ってきた。
しかし無理くりねじ込んだらくっ付いた。
まあいいかw
手元のテストピースを撮影してみた。
対物40倍、接眼15倍
画角横幅がちょうど100μm
ATS34 熱処理前の生材
ATS34 マトリックスアイダで普通に(?)熱処理
ATS34 八田工業で熱処理
ATS34 マトリックスアイダで焼入れはATS34、焼き戻しはCRMO7の条件
ATS34 マトリックスアイダで焼入れはATS34、焼き戻しはD2の条件
CRMO7 マトリックスアイダで熱処理
CRMO7 八田工業で熱処理
ZDP189 八田工業で熱処理
ZDP189 マトリックスアイダで熱処理
ZDP189 マトリックスアイダでATS34の条件で熱処理
SPGⅡ 生材
SPGⅡ マトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理
SPGⅡ マトリックスアイダでATS34の条件で熱処理
S30V マトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理
S30V マトリックスアイダでATS34の条件で熱処理
カウリY 生材
カウリX 熱処理済み(業者、条件は不明)
CV134 生材
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