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この前の日曜日にナイフ・刀剣鑑賞会に行ってきた。
昨年と同じく、東京御茶ノ水近くの貸会議室で開かれた。
今回の参加者は総勢35人ほどだったらしい。意外と集まったものだなw
ナイフメーカーも先に発表のあった方の他に、小田久山氏、伊原賢治氏、川村龍市氏らが参加した。
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手前が星山文隆さんの展示。
星山さんは数年前から銀座ナイフショーに出展されてる。以前はダブルグラインドの物騒?なのばかり作っていたが、エングレービングをやるようになって、最近はフォールディングナイフまで作っている。大変な努力家なメーカーさんだ。
奥が高本龍雄さんの展示。
高本さんはパートタイムメーカーだが、フルタイムメーカーに劣らない丁寧で仕上げのきれいな実用的ナイフを作るメーカー。小型から中型の作品が多く、手に持つと実際使ってみたくなるナイフが多い。それでいて実用一点張りではなく、ハンドルやヒルトに凝った作りがあったりで、なかなか芸が細かい。
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手前が伊原賢治さんの展示。
井原さんは実用的だが、きっちりと精確なフォールディングナイフを作るメーカー。スプリングにカーボンを使ったり、マイカルタやG10を使ってライナーレスで作ったりと、他の人がやらない様な事をやって、それでいてちゃんと使える物になってるのが見事だ。
今回はアイアンウッドを使って、ライナーレスのを作っちゃったのには驚いたw
奥のドロップポイント2本が荒川知芳さんの展示。
荒川さんは今年の夏の銀座ナイフショーで招待枠で出品されていた方だ。本格的にナイフメーカーを目指していて、来年の銀座ショーにも出るとの事。
ドロップはATS34とCV134で作られていて、とくにCV134はよくここまで磨いたなぁと思うほど、きれいに仕上げてあった。
前回銀座で拝見した時より格段に上達されているので、これからが楽しみなメーカーさんだ。ナイフショーはメーカーさんの作品の変化を見るのも楽しかったりするんだよなw
そんでもってその隣がおいらの展示。
ほとんど今までにブログに出てきた事のあるやつばかりだな・・・w
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二部幸夫さんの展示。
二部さんは独特の和風テイストのナイフを作っているメーカー。漆塗りなどの伝統的技法を使ったハンドルやシースの作りはいつ見ても美しい。
今回はコレクションの甲冑を展示されていた。
かなり古いものらしいが、見事な作りでよく現在まで残っていたなぁと関心した。
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刀剣とナイフのコレクターの方の展示。
刀身の押し型を取って刃紋を写し取ったり、中子の形状と鑢目や銘を模写した古い書物などなかなか興味深い。刀剣趣味の奥深さが垣間見れる。
何気に平山晴美さんの見事な象嵌されたナイフも置かれている・・・いい趣味してんなw
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一目でわかる独特の雰囲気は根本朋之さんの展示。
独特の形状もさることながら、LEDライトが仕込んであったりと発想が凄い。
グラインドテクニックなど技術的に非常に興味深いメーカーだ。
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手前3本がドラさんの作品。
ブッシュナイフ風のが板バネでラブレスファイター風のがヤスリだっけか。土置きして鉛浴で熱処理したそうで、刃紋がきれいだった。
山刀風のがハイスだったっけか。焚き火をかき回しても大丈夫だそうだw
その奥が田辺一寿さんの展示。
田辺さんは複雑な面構成のナイフを得意としていて、技術的に非常に面白い。いつもよく磨けるなぁと関心する。
シースはカイデックスに革を貼り付けたりと、とても凝った作りで丁寧に作ってある。
今回は海外でのショーの準備で田辺さんは参加されず残念だったが、かわりに奥さん(でいいんだよな?)が参加されていた。(アップルパイ美味かったですw)
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手前が鑑賞会主催者の片山重恒さんの展示。
説明するまでもないかもしれないが、片山さんは岡山の備前長船刀剣の里で刀身彫刻などをやっている。仕事道具の鏨が興味深い。
象嵌や彫刻を施した刀子や刀の鍔の作品の他に、なぜか火縄銃やフリントロック銃があった・・・
奥がコレクターの方による古いシェフィールドナイフの展示。
おそらく100年近く前の物なのではないだろうか。用途により色々な形状があって面白い。
小ぶりで上品なデザインが印象的だった。
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陶芸家の方の展示。
陶芸は詳しくないのでわからないが、なかなか味がある作品だった。火で焼き上げるところは焼き入れ作業に似てたり、刀の焼刃土に粘土を使うところなどは、なにやら刀剣に通じるところがあるのかもしれない。
作品を使ってコーヒーを淹れてくれてたらしいが、見て回るのに夢中になってて忘れてた・・・残念。
奥の漫画は刀剣関係の同人誌かなんかだったっけ?・・・説明よくきいてなかった・・・(ごめんなさい)
そういやこの前行った現代刀鑑賞会にも同じようなのあったけど、同人誌の世界じゃ刀剣が流行ってんのかな?
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コレクターの方の展示だったが、今回一番異色な雰囲気が面白かった。
広げてあるのは古いフランス軍の軍旗。第一次大戦の頃の物 らしい。
並べてある書籍や写真のアルバムには、戦前戦中の著名人のサインがあった。
かなり貴重な物なのだろうが、一体どこから出てくるんだろか・・・?
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手前が刀子のコレクターの方の展示。
写真はまだ並べ終わってない所だったが、えらい数の刀子があった。画を書いた様な刃紋があったりで、なかなか面白い。
登録上は脇差扱いになってるそうだが、まるで五月人形が持ってそうな細身の刀があって、これが印象的だった。
奥は川村龍市さんの展示。
川村さんはレミントンのレプリカなどの美しく精巧なフォールディングナイフを作るメーカーだが、残念ながら今回はナイフの展示はなかった。
その代わりフォールディングナイフの構造を、図を多用して幾何学的に詳しく説明した解説書を持ってきていた。(オレンジ色のやつ)
この解説書は2月に行ったフォールディングナイフショーで知ったのだが、その時はすでに売切れていていた。この前のJKGのショーでも売り切れだった・・・
どうしても欲しかったのだが、今回運良く買う事ができて嬉しいw
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刀剣の展示。こちらは片山さんやコレクターの方の持ち寄りによる。
古い物から新しい物まで色々あった。
刀の見所はまだよくわからないところがあるが、実際手に取って見れるのは実に面白い。
滅多に触れるものじゃないので、この様な機会はとてもいいと思う。
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根本ナイフで嬉々としてカッテングに興じてるこのおっちゃんは・・・
実に楽しそうでしたw
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鑑賞会の後は懇談会。
今年は料理や飲物が多く、とても豪華だった。
一杯やりながら話をしていると、普段聞けない様な話が聞けて面白い。
この懇談会を目的に来ても十分楽しいかもしれない。
食い物用意してくれた人たちに本当に感謝だw
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今回のお土産。
トマトソースの瓶詰はoff会常連の友人に貰った。
刀の残欠と鍔の切り抜きはジャンケン大会でゲットした。
鍔の切り抜きは最後に残った2個を川村さんとおいらでどちらを選ぶかとなったのだが、川村さんに先を譲ったらおもむろに匂いを嗅ぎはじめたのに驚いたw
聞いたら「俺はATS34と440Cの違いを嗅ぎ分けられるんだよ~w」と言っていた。
達人になるとそんな事ができるのか・・・恐るべし・・・
というわけで、参加者の皆さんお疲れ様でした。
今回もなかなかの盛り上がりだった様に思う。
ネットのoff会という名目や4000円の会費がかかるという事で、なかなか一般の人にとっては参加を決意するにはちょっと勇気がいるのかもしれない。
しかし今回初参加のナイフメーカーや一般の方達の多くは、「楽しかった」「面白かった」と喜んでもらえた様だった。
通常のナイフショーとは違って、メーカーさんもお客さんも対等の立場で参加するので、話しもしやすくていいかもしれない。
この会が今後どの様な形になるのかはわからないが、非常に面白い企画であるので是非とも片山さんには続けてもらいたいと思う。(できる事は協力しますw)
来年も11月の第一日曜日(11月4日か?)を予定するとの事なので、今回参加できなかった人も次回は是非とも。