高合金・高炭素の溶製鋼では、共晶炭化物の発生は宿命的なものであるが、添加合金元素と炭素の含有量を工夫する事で、発生を抑えた鋼種もある。
ステンレス鋼ではCrが13%のとき、Cがおよそ0.7%以下になると共晶炭化物を無くす事ができる。SUS420J2や銀紙5号、CRMO7などがそうである。これらは硬さはやや低めとなるが、組織が細かいため研ぎ上げると滑らかな刃が付く。
CRMO7は世界的な剃刀メーカーであるウィルキンソン向けに、日立金属が開発した剃刀用鋼材だと聞く。これをフラットバー形状にして、ナイフ用鋼材として出荷してるらしい。(剃刀用は0.何mmかのリボン状)
フラットバー形状だと鍛錬整形比の違いがあって、剃刀の時より若干組織が荒くなっているかもしれないが、CRMO7で作ったナイフを研ぎ上げて髭を剃ってみると、とても滑らかで剃り心地がいい事が体感できる。Crによる複炭化物が、細かく均一に組織中に分布しているので対摩耗性がよく、複炭化物が硬すぎないので研ぎやすい。硬さがやや低いので、余り乱暴な用途には向かない(捲れ、潰れる)が包丁の様な用途には非常に良い鋼材だ。
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
ブログ アーカイブ
- 9月 2024 (1)
- 4月 2018 (8)
- 3月 2018 (20)
- 2月 2018 (9)
- 1月 2018 (12)
- 12月 2017 (11)
- 11月 2017 (9)
- 10月 2017 (17)
- 9月 2017 (19)
- 8月 2017 (24)
- 7月 2017 (20)
- 6月 2017 (15)
- 5月 2017 (19)
- 4月 2017 (13)
- 3月 2017 (5)
- 2月 2017 (5)
- 1月 2017 (10)
- 12月 2016 (6)
- 11月 2016 (13)
- 10月 2016 (24)
- 9月 2016 (21)
- 8月 2016 (21)
- 7月 2016 (23)
- 6月 2016 (17)
- 5月 2016 (17)
- 4月 2016 (14)
- 3月 2016 (23)
- 2月 2016 (16)
- 1月 2016 (18)
- 12月 2015 (21)
- 11月 2015 (22)
- 10月 2015 (22)
- 9月 2015 (28)
- 8月 2015 (24)
- 7月 2015 (28)
- 6月 2015 (28)
- 5月 2015 (24)
- 4月 2015 (25)
- 3月 2015 (21)
- 2月 2015 (17)
- 1月 2015 (20)
- 12月 2014 (21)
- 11月 2014 (19)
- 10月 2014 (22)
- 9月 2014 (24)
- 8月 2014 (27)
- 7月 2014 (33)
- 6月 2014 (15)
- 5月 2014 (11)
- 4月 2014 (9)
- 3月 2014 (13)
- 2月 2014 (11)
- 1月 2014 (16)
- 12月 2013 (14)
- 11月 2013 (13)
- 10月 2013 (16)
- 9月 2013 (11)
- 8月 2013 (20)
- 7月 2013 (18)
- 6月 2013 (17)
- 5月 2013 (12)
- 4月 2013 (17)
- 3月 2013 (11)
- 2月 2013 (10)
- 1月 2013 (9)
- 12月 2012 (15)
- 11月 2012 (14)
- 10月 2012 (22)
- 9月 2012 (14)
- 8月 2012 (16)
- 7月 2012 (13)
- 6月 2012 (9)
- 5月 2012 (13)
- 4月 2012 (15)
- 3月 2012 (12)
- 2月 2012 (12)
- 1月 2012 (12)
- 12月 2011 (12)
- 11月 2011 (16)
- 10月 2011 (12)
- 9月 2011 (13)
- 8月 2011 (12)
- 7月 2011 (19)
- 6月 2011 (11)
- 5月 2011 (8)
- 4月 2011 (5)
- 3月 2011 (14)
- 2月 2011 (10)
- 1月 2011 (8)
- 12月 2010 (8)
- 11月 2010 (11)
- 10月 2010 (13)
- 9月 2010 (7)
- 8月 2010 (8)
- 7月 2010 (6)
- 6月 2010 (12)
- 5月 2010 (7)
- 4月 2010 (10)
- 3月 2010 (13)
- 2月 2010 (8)
- 1月 2010 (10)
- 12月 2009 (10)
- 11月 2009 (16)
- 10月 2009 (12)
- 9月 2009 (16)
- 8月 2009 (13)
- 7月 2009 (5)
- 6月 2009 (4)
- 5月 2009 (9)
- 4月 2009 (7)
- 3月 2009 (7)
- 2月 2009 (7)
- 1月 2009 (8)
- 12月 2008 (10)
- 11月 2008 (8)
- 10月 2008 (10)
- 9月 2008 (12)
- 8月 2008 (5)
- 7月 2008 (6)
- 6月 2008 (7)
- 5月 2008 (7)
- 4月 2008 (6)
- 3月 2008 (5)
- 2月 2008 (6)
- 1月 2008 (5)
- 12月 2007 (6)
- 11月 2007 (7)
- 10月 2007 (5)
- 9月 2007 (12)
- 8月 2007 (15)
- 7月 2007 (14)
- 6月 2007 (12)
- 5月 2007 (18)
1 件のコメント:
test
コメントを投稿