シースの接着はダイアボンドのNo.888を使ってるのだが、欠点はタレに漬けたときに溶けてしまう事だった。
溶けても乾燥すれば問題ないのだが、やはり接着強度は低下している様だ。
もっとも 縫ってあるので、実際使用していて問題はなかった。猟で散々酷使したが、接着面が剥離する様な事はない。
しかし、接着強度が低下しているのは、やはり気分的によくない。
接着剤の主成分であるクロロプレンゴムがテレピン油で溶けてしまうのが原因だ。手っ取り早く解決するには、タレに使ってる溶剤のテレピン油を変えればいいか・・・
大分前にアルコールを使う事は実験した事があったが、もう一度やってみる事にした。
アルコールだと松脂は溶けないので、蜜蝋とラノリンだけを溶かしてみる。
ラノリンも蝋もアルコールには常温では極僅かしか溶けない。湯煎して強制的に溶かすと、コロイド状に混じった状態で液体になる。
湯煎して染込ましてみたが、あまりいい感じには染込まない。
アルコールが乾燥するのも時間がかかる。
結局染込む油脂量が足らなかったので、筆で従来のタレを塗って染込ませる事でなんとかなった。
まあ、この方法なら接着剤の影響も少なくいいのかもしれないが、手間がかかってめんどくさい。
そんじゃ接着剤の方を変えればいいんじゃん?と思って、色々物色してみた。
シリコーン系のセメダインのスーパーXがよさそうな事が分った。ちょっと実験してみたが、硬化後はテレピン油にはほとんど解けない様だ。
実はナイフ作り始めた最初の頃は、シースの接着にはスーパーXを使っていた。スーパーXはちょっと使い勝手が悪かったので、その後はNo.888を使う様になっていた。
スコッチのスーパー多用途とコニシのウルトラ多用途SUを買ってきたので実験してみる。(紛らわしい名前だなw)
スコッチはスーパーXと同じシリコーン系で、コニシのはウレタン系らしい。ウレタン系の方が耐溶剤製がもしかしたらいいかもしれない。
スーパーX、スーパー多用途、No.888は両面塗布の指触乾燥後に貼り合わすが、ウルトラ多用途SUは片面塗布ですぐに貼り合せる使い方をする。ちっと使い勝手が微妙・・・
実験結果は数日後~
7 件のコメント:
たしか、ウルトラ多用途SUは溶けました。
ウルトラ多用途SUは溶けますか・・・残念・・・
見たり聞いたりで真似するのは簡単だけど、こうやって研究して、実験してる*ものずき*さんに敬服しますよ!!開発者って以外と報われないし!!密かにしない事、プロも含め皆さん有り難がっていますよ、きっと・・・!? NEWシースのタレ、成功を祈ります。
コニシのGクリヤーは溶けます。
透明なのでわかりにくいでのが利点ですが。
溶けた分はつぶつぶになって革の間から出てくるので、軽く撫でればすぐ取れます。
接着強度の低下は…ありそうですが。
雄
大ベテランの鈴木さんにそう言われると畏れ入ります・・・
まあ、自分のやってる事は秘密にしててもしょうもないので、妙な事やってんなとでも思って楽しんで見てくれるとありがたいですw
基本的に縫ってしまうので、ある程度の接着強度が残っていれば問題はない様ですが・・・
革用の接着剤って、固まっても弾力がある程度維持する物が必要ですが、その手の接着剤のほとんどは耐溶剤性に弱い物が多いみたいですね。
縫う前にタレに漬け込むのは無理でしょうか?
タレのテレピン油が揮発した後に接着すればあるいは・・・。
縫う前にタレ漬けすると接着剤が乗りにくくなります。
それにウェットホーム出来なくなりますし・・・
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