鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2014年9月22日月曜日

榊原さんのナイフ

やっと基準面が出来上がった。
この先どうやって削ろうか・・・
縁あって榊原さんのナイフを入手した。
知合いのコレクターさんから、昔作ったナイフと交換してもらった。ありがたや~

フォルダーとフォルダー風のシースナイフ。
どちらも3incちょっとの大きさで、2つともハンドルには黒檀?がインレイされている。榊原さんらしい作りのナイフだ。


フォルダーはアルミハンドルのインターフレーム構造になっている。非常に軽い。
ピポッドの構造が面白い。
榊原さんのフォルダーは独特で、ロックのスプリングに特徴がある。
生前スプリングがどうなってるのか聞いてみたが、結局教えてもらえなかったw

榊原さんはフライスを使った細工が得意だった。
インレイは非常に精巧に出来ている。













内側を観察してたらロウソクマークを発見した。
リカッソが当らない様に僅かにざぐった部分に刻印が打ってあった。洒落てるなw


シースナイフはセミスキナー形状。
フォルダーがブレイド厚3.0mmに対して、こちらは2.5mmとかなり薄い。非常に浅いホローグラインドになっている。





ハンドルはマイカルタに黒檀?がインレイされている。薄く整形されていて、一見するとフォルダーの様に見える。
ナイフの大きさからすると、偉くごついシースになっている。
 コレクターさんは中古として数年前に入手したそうだ。
未使用の様だが、最初の持ち主が長い事仕舞いっぱなしにしていたらしく、状態としてはあまりよくはない。
しかし榊原さんのナイフを入手できたのはとても嬉しい。特にフォルダーは榊原さんらしさがあって、これは本当に嬉しいものだ。
榊原さんの形見として大切にしたいと思う。

榊原さんはもともと寡作なメーカーだったが、亡くなるまでの数年間は健康の問題もあって、さらに作らなくなっていた。
日本のカスタムナイフの黎明期の早い段階でラブレスの工房に赴き、ラブレスからナイフ作りを学んだ人だった。
作るものは繊細なのだが、時に大胆というか大雑把なところがあって、なんとなくラブレスに似た感じがあった。
会うといつも猟や鉄砲の話ばかりして、ナイフの作り方についてはあまり話しをする事がなかったのが、今となっては残念に思う。
それでも話の端々に、ラブレスの工房に行った時の事や、ラブレスナイフの薀蓄を聞けたのはいい思い出だ・・・

生前にフォルダーを作る様によく勧められた。
図を描いてくれて構造を説明してくれたのだが、あの頃はそれほどフォルダーには興味なかったので、聞き流すだけでよく覚えていないのが残念だ。
榊原さんは「フォールディングナイフの作り方を解説した本を書きたいんだ」と言っていた。
ジェスホーンなど著名なメーカーとも親交があったそうで、フォルダーにも並々ならぬこだわりがあった。
今も思うが、亡くなるには早すぎたよなぁ・・・

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