ぐぐっていたら鋼材の組織写真を見つけた。
著作権の問題もあるので、ここに貼るのはどうかと思ったが、海外のあちこちのサイトに同じ画像が貼られているので、まあ大目に見てもらおう。
左上から13C26、440C 、CPM154、S30V、右上から19C27、ATS34、D2、VG10となってる。
みんなそれぞれ違う様子が面白い。
鋼はコンクリートに似たもので、セメントが鉄(と固溶合金元素)の生地に相当し、砂利や砂が炭化物(鉄や合金元素と炭素の化合物)に相当する。
写真の灰色の部分が生地で、白い部分が炭化物になる。
13C26は非常に炭化物が細かい。組成が0.68C・12.9Crということだから共晶由来のいわゆる一次炭化物がない鋼種なのだろう。CRMO7や銀紙5号、大同の1Kなどと同じ系統で、剃刀向けの鋼種の様だ。
19C27、ATS34、440C、D2、VG10は多角形で不規則な形状の巨大な炭化物がいわゆる一次炭化物。D2はともかくとしても、ATS34でも結構大きな物がはいってるんだな・・・
一次炭化物は耐摩耗性に役立つので一概に悪物とするわけにもいかないが、鋭利な刃先にこれが出るのは問題がある。剃刀の様な用途には向かない。
一次炭化物は溶製の高合金鋼では宿命みたいなものだ。炭化物自体が硬く鍛造比を大きくしても微細化には限界がある。また生地に固溶しにくいので大きなまま組織中に残ってしまう。
CMP154とS30Vは粉末鋼だが、炭化物の形状に違いがあって興味深い。
溶製鋼と違い巨大な不規則な炭化物はないが、剃刀用の溶製鋼と比べると意外に炭化物が大きい。
大抵の粉末鋼は合金元素が多いので、炭化物はかなり硬く耐摩耗性がいい・・・と言うか、よすぎる嫌いがある。炭化物でジャリジャリしてる感じか。
鋼材は組織の面から見ると、それぞれかなり違いがあって面白い。もっともざっと研いだだけの使い方では、その違いを体感するのは難しい。
硬さだけが重要じゃないんだよな・・・
誤解のない様に一応言っておくが、炭化物は細かい方がいいというわけでもなく、用途によってはでかい炭化物がジャリジャリしてるのも有効だ。要は用途によって鋼種に得手不得手があるわけで、また使う人の好みもあるからその選択は難しい。
12/29追記
VG10の写真もあったので画を差し替える。
余談だけど154CMの写真もあったが、見た目はATS34とよく似てた。
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・
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2 件のコメント:
セメンタイトとか、
学校で習ったなw
しかし良い絵やね。
デ
おいらもこの辺の知識は高校生レベルさw
ぐぐってると面白いものが見つかるね。
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