鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2013年3月18日月曜日

鍛造暴威ナイフ

鍛造暴威ナイフが出来た。
青紙2号の割り込みで、ブレイド長は約190mm、厚さは約5mm。
チョイルが大きく取ってあるので、実質的な刃長は165mm程度。











川崎晶平刀匠鍛造教室で作ったブレイド。(川崎さん、その節はお世話になりました)
炭素鋼は癖もなく研ぎやすい。研ぎ上げると滑らかな刃が付いた。
鎬地は150mmの平の油目の鉄鋼ヤスリで仕上げただけで、砥石やペーパーは掛けていない。
お茶の葉で染めたら青黒い色に染まって、その質感がなかなか気に入った。


星山文隆さんのエングレーブがなかなかいい感じ。(星山さん、ありがとさんです)
ワイドヒルトにしたのは、ハンドルに使った鹿角のスが、なるべく出ない用にするためだった。
エングレーブがないと間が開いた感じで締まりがなくなるが、彫りが入る事で大分印象が変って見える。

裏側はこんな感じ。
ヒルトは快削真鍮でなくC2801(四六真鍮)を使った。
ヤスリの手加工なら加工性はそれほど悪くはない。
エングレーブも問題ないそうだ。
快削出ない方が摩耗しにくくていいかもしれないな。

炭素鋼ブレイドはヒルトの固定に接着剤で大丈夫か?と以前から疑問に思っていたが、前に作った鍛造スキナーを使っていて問題はなかった。
炭素鋼だと分解できる構造にすべきかとも思うが、そもそもナイフとしての寿命はそんなに長く考える必要もないだろうから、ヒルトもハンドルも比分解構造でよいのかもしれない。

前に彫ってもらったときは、キリオンにでっかく「F.H」とイニシャルが彫られていたが、今回はやけにちっちゃく彫ってある・・・それも1mm厚しかないスペーサーの真鍮に・・・そんなとこに彫るかw











8inc暴威ナイフの反省から、ハンドルはちょっとごっつ目に作った。
ハンドル全端は薄めにして、チョイルに指を掛けて使えば細かい作業が出来る様にした。
ハンドル中間から後端は太めにして、メリハリある形状にする事で、手袋をしていても滑らずしっかり握れる様にした。

落ち角のハンドルは面白い具合に染まった。
風雨に晒されて白くなった落ち角は強度を心配するかもしれないが、加工した感じからすると問題はない様だ。最後の仕上げに桐油を十分に染込ませる事で、防水性と強度は改善される。

一本丸ごとハンドルに使うには蝦夷鹿より和鹿の方がいい様だ。
蝦夷鹿だとスが大きかったりして使いにくい場合がある。大きさ的にも和鹿の方が使いやすく思う。


シースのベルトは最初プルドットホックを使ってみたが、ベルトの長さがうまくなかったため今一だったので、普通のホックに変更した。(プルドットホックって使うのにちっとコツがいるだな・・・)

この鍛造暴威ナイフは次の猟期に使ってみるつもり。
実は今まで使ってた8inc暴威ナイフは訳あってなくしてしまった・・・orz
まあ、反省点を踏まえて作ったのもあるし、炭素鋼の切味がどんなものなのかも知りたいので楽しみであるw





4 件のコメント:

K職人 さんのコメント...

いい雰囲気に仕上がりましたね!
カッコイイです!

私のブログで昔、ヒルトやボルスターは米ではSUS416,410を使ってるけど耐食性では303,304が抜群に良いのに何で?って書いた事がありますが、その後米のサイトで、イングレーブするのに303,304は硬くて駄目だ!だから416をメインに使うって書いて有りました。向こうでも買ったナイフにイングレーブ彫ってもらう事が結構あるらしく、それ前提での416、410らしいです。

ものずき さんのコメント...

ありがとうございます。
なるほど、彼の地では彫るためも考えて、材質選びされてるんですね。
しかし304なんて切るのも大変だから、できれば(ってか絶対w)使いたくないです・・・

アキ さんのコメント...

完成しましたか!
是非使って、使用感を教えてください。
イングレーブ良いですね。

ものずき さんのコメント...

アキさん、ありがとうございます!
そのうち機会があったらお見せしますね。
次の猟期が楽しみです。

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