鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・

2007年5月30日水曜日

鋼材について 4

高合金・高炭素の溶製鋼では、共晶炭化物の発生は宿命的なものであるが、添加合金元素と炭素の含有量を工夫する事で、発生を抑えた鋼種もある。
ステンレス鋼ではCrが13%のとき、Cがおよそ0.7%以下になると共晶炭化物を無くす事ができる。SUS420J2や銀紙5号、CRMO7などがそうである。これらは硬さはやや低めとなるが、組織が細かいため研ぎ上げると滑らかな刃が付く。
CRMO7は世界的な剃刀メーカーであるウィルキンソン向けに、日立金属が開発した剃刀用鋼材だと聞く。これをフラットバー形状にして、ナイフ用鋼材として出荷してるらしい。(剃刀用は0.何mmかのリボン状)
フラットバー形状だと鍛錬整形比の違いがあって、剃刀の時より若干組織が荒くなっているかもしれないが、CRMO7で作ったナイフを研ぎ上げて髭を剃ってみると、とても滑らかで剃り心地がいい事が体感できる。Crによる複炭化物が、細かく均一に組織中に分布しているので対摩耗性がよく、複炭化物が硬すぎないので研ぎやすい。硬さがやや低いので、余り乱暴な用途には向かない(捲れ、潰れる)が包丁の様な用途には非常に良い鋼材だ。

2007年5月28日月曜日

鋼材について 3

ステンレス鋼の炭化物は細かくないと書いたが、それはあくまで炭素鋼と比較しての話だ。誤解のない様に言うが、炭化物が荒いからと言って、まったく使い物にならない訳ではない。炭化物が荒いと滑らかな刃は付かないが、例えばスチール棒でジャリジャリ研ぎながら使う、肉切包丁の様な用途にはちょうど良いだろう。
ではなぜ炭化物が荒いかと言うと、ステンレス鋼の様な高合金鋼には、共晶炭化物が組織中の存在しているからである。これがなぜ発生するのかは、また別の機会に書きたいと思う。
通常ステンレス鋼ならば、CとCrの含有量が多くなると、粗大な共晶炭化物が多くなる。440CやD2(ステンレスでないが)などは、数十μm程度の大きな共晶炭化物が存在する。この様な鋼種ではよく研ぎ上げても、髭をそってみるとその荒さを体感する事ができる。髭は切れるがざらざらと皮膚にあたり、剃り心地が悪い。最悪、血だらけになる事もある。

2007年5月27日日曜日

8incファイター?その7

バックベベルの幅を罫書く。
ヤスリでの切削の場合、罫書線は非常に重要。これが正確に入ってないと、正確な加工ができない。
おいらはハイトゲージと定盤を使っているが、なければパス(コンパス)でも十分代用できる。ちなみにハイトゲージと定盤も中古品。意外と安く手に入る。
 
 
 
  
 
 
 
 
スエッジを罫書く。この線はあくまで目安として使う。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スエッジから削り始める。フラットグラインドの場合、この部分は単純な平面となる。ブレイドベベルの角度が正確に削られていれば、自然ときれいな鎬のラインができる。
 
 
 
 
 
 
 

 


バックベベルを削る。基本的にブレイドベベル側と切削方法は同じ。
この部分は スパインの厚さがべべ ルストップからスエッジにかけてテーパーになっているので、フラットグラインドだと捻れた面になる。このため、スエッジの面とのつながりが不自然になりやすいので、注意して削る。
 
 
 
 
 
 
 


ベベルストップも、ブレイドベベル側と同じ要領で仕上る。
ベベルストップからポイントにかけてセン掛けして、面のつながりを確認して仕上る。
 
とりあえず片面だけ荒削りが完成・・・まだ先は長い・・・

2007年5月25日金曜日

鋼材について 2

焼入れした鋼材の組織は、炭素鋼ならば生地である鉄と、その中に分散している炭化物(セメンタイト)の二相でできている。ステンレスなどの合金鋼も基本的には同じで、合金元素は生地の鉄に固溶したり、鉄とともに炭素と結びつき複炭化物として存在する。
組織で重要なのは、この炭化物が生地のなかに、細かく均一に分散している事である。
添加合金の少ない単純な炭素鋼は、鍛造とその後の焼鈍しの熱処理により、炭化物を非常に細かく均一に分散させる事ができる。
これに対しCとCrの量が多いステンレス鋼は、十分に鍛造と焼鈍しの処理をしたとしても、炭素鋼の様には炭化物が細かくならない。

2007年5月24日木曜日

鋼材について


刃物の 鋼材というと、とかく硬さの話題ばかりが多く語られるが、おいらは鋼材の組織の状態の方が重要だと思ってる。
ナイフや包丁の様な刃物(バイトとかは抜きねw)は、刃先を非常に鋭く加工する必要がある。(そのために研ぐ)
よく切れる(切味がいい)ためには、刃先のrは数μm程度にする必要がある。
組織が荒いと、この数μmの線上に荒い結晶が顔を出したり、または抜け落ちる事により、所々がデコボコした状態になる。こうなると、当然滑らかな刃にはならず、鋭い刃先にならないので切味も劣ってしまう。
炭素鋼を鍛造して作られた刃物が良いといわれるのは、この組織の細かさ故にある。
では、ステンレスの様な合金鋼はというと、残念ながら炭素鋼の様には組織は細かくしにくい。

2007年5月20日日曜日

今日は天気がよかったな。こんな日は何処かドライブにでも行きたいが、金もないのでファイター削ってた・・・
 
あんまり気合が入らないので、もう片面のブレイドベベルを削っただけで終わった。人力で削るのはくたびれる。
 
今の時期は暑くもなく寒くもなくで、鉄工ヤスリ派ナイフメーカーにはいい季節だ。ぐずぐずしてっと暑い季節になっちゃうな・・・

2007年5月18日金曜日

ファイターの作業は進んでないので、ネタ切れ・・・当分お休み。
 
じゅんの画を貼っとく。
 
ところで、このブログ見る人なんているんだろか?
見てるあんたも、ものずきねw(どうやって見つけた?)

2007年5月17日木曜日

8incファイター?その6

ブレイドベベルを削る。
ベベルストップの立ち上がり部分に、削り過ぎない様に、軟鉄板をCクランプで挟んで固定する。
初めはエッジカーブの接線に直角方向にヤスリを掛ける。最初から最後まで一定角を保って切削するのは効率が悪いので、ベベルの幅とエッジの罫書き線に注意して、若干蛤刃状に切削していく。
 
普通はパイロットエッジラインと称して、あらかじめ45°程度の角度でエッジを削っておくが、おいらはこれをやらずに直接削っている。好みなの問題なのだろうが、その方が途中の削り具合が把握しやすい。
 
 
ある程度削ったら、今度は長手方向にヤスリをかける。
ちょうど鍛冶屋さんのセン掛けの様に切削する。これによりベベルの平面を出す。200mmの中目か150mmの細目を使う。慣れるとよく削れる。切粉を噛むと深い傷になるので注意する。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大体面が出たとこで、ベベルストップを削り出す。
リカッソを削らない様に、薄い鉄板を引いておく。
ベベルストップをきれいに作るコツとして、立ち上がり手前までのブレイドベベルをしっかり削っておく事。そうしないと面がきれいにつながらないし、エッジがきれいに付かない。
 
 
 
 
 
 
 
ベベルストップを削り出した後に、さらにセン掛けして仕上る。
途中ノギスを適当な幅で固定して、エッジカーブに直角方向(接線に直角)にノギスのジョーを差し込んで、入る位置(長さ)によってベベルの角度がどの部分でも一定である事を確認する。(ノギスを限界ゲージとして使う) 
 
フラットベベルの場合、ブレイドベベルの角度はどの位置でも一定に作る。(特殊用途は除くが・・・)
 
 
 
 
 
とりあえず片面のブレイドベベル荒削り修了。
この手のモデルをホローグラインドで作る場合、普通はスエッジ⇒バックベベル⇒ブレイドベベルの順で切削していくらしい。おいらはなぜブレイドベベルから削りはじめたかと言うと、それはフラットグラインドの場合、ベベルの角度を確認しやすいから。スエッジを先に削ってしまうと、ポイント付近の角度がわかりづらくなる。
 
6mm厚の鋼材はさすがにくたびれる。 
もう片面けずらねば・・・ ってかバックベベルもあるんだよな・・・ 先は長い・・・
 

2007年5月16日水曜日

8incファイター?その5

まず タングから削はじめる。
はじめは横方向に削っていく。

鋼材を削る時は、曲がらないようにするため、鉄板にCクランプで固定する。(鉄板は万力に固定)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ある程度横方向に削ったら、次は縦方向(ポイントの方向)にヤスリをかける。
鉄工ヤスリは面に癖がある(平面でない)。これをよく知ると平面を出しやすい。(若干凸面の方がいい)
 
鋼材の切削に使う鉄鋼ヤスリは、300mmの荒目と200mmの中目、150mmの細目を主に使ってる。
基本的にホームセンターで売っているものと、あまり変わらない。(ニコルソンなんて使ってないw)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
反対側も同じ用に削る。
曲がらない様に、鉄板との間に板(数種類の厚さの端材)を挟む。
 
捨て穴をあける利点は削る面積を減らす以外にも、切粉がここから落ちるので、切削しやすくなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
大体平面になったら、タングの中ほどを画の様なヤスリを使って、少し凹ましておく。仕上げのすり合せがしやすくなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
すり合わせて仕上げ。
すり合せには電着のダイヤモンド砥石を使ってる。初めの頃は常盤で金剛砂を使ってやってた。
電着ダイヤは400番と1000番が片面づつ付いてる安物。結構使える。刃付けの時の荒研ぎにも使ってる。水をかけながら使う。
 
タングのテーパー加工はとりあえず終わり。

2007年5月15日火曜日

8incファイター?その4

ファスナーボルトの穴をあける。
3mmで下穴をあけて、6mmを通す。
太めのキリを使う時は、最低でもチゼルの幅程度の下穴をあける必要がある。
ソングホールパイプを通す穴も、同じ様にあける。パイプの呼び径より、0.1mm程度大きい穴をあけた方がパイプを通しやすい。(7.1mmであける)
 
ちなみにボール盤は中古の安物。僅かにスピンドルが曲がってる・・・ 
ボール盤は軸の精度を気にしがちになるが、それよりもテーブルや送りの剛性とガタを気にして選んだ方がいい。 
 
 
 
捨て穴をホールソーを使ってあける。
ホールソーは本来は薄板用のものであるが、使い方しだいで結構使える。切削油を使うと滑るので、水をかけながら、ゆっくりと冷却しながらあけるといい。15mmと12mmの穴をあけた。

捨て穴は軽量化よりも、タングのテーパー化の加工がしやすくなるのであけている。(削る面積が減る) 
 

 
 

 
 

 
穴あけ修了。
外形を記録するため、石摺りを取っておく。

2007年5月14日月曜日

8incファイター?その3

罫書く。 
ヒルトの取付け位置とベベルストップはヤンキーバイスを利用する。こうすると裏表で位置がずれない。
普通はベベルストップガイドなんかを利用するらしいが、そんなものは持ってない・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブレイドベベルの幅を罫書く。
ハイトゲージと定盤(両方とも中古品)はナイフ製作用に持ってるものでなく、バイクいじりの趣味のため、もともと持っていた。(ヤンキーバイスも) 
 
 
ナイフ作りは精密機械でないので、平らな鉄板とトースカンで十分かもしれない。
 
 
 
 
 
 
エッジラインを罫書く。
0.3mmで罫書いたが、仕上がりは0.2mm程度にする予定。
フラットグラインドの場合、いつもエッジの厚みは0.3mm以下になる様にしている。熱処理で歪むこともないし、フラットだと強度も十分である。
ブレイドベベルが鋭角なら多少厚く、鈍角なら薄くしている。
 
 
 
 
 
 

テーパータングにするため側面に罫書く。
タングの先端に削りたい分の厚さの板を挟んで、斜めの線をいれる。
これを目安にタングを削る。
スパインも同じ様な方法で罫書く。(ベベルストップからスエッジにかけてテーパーになってる。) 
 
 
 
 
 
 
 
 
とりあえず線入れ終わり。

2007年5月13日日曜日

8incファイター?その2

鋼材に青ニスを塗って、型板をあてて外形を罫書く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
4mm程度の鋼材を使う時は、直接金鋸で切ってしまうが。さすがに6mmもあるとくたびれるので、面倒だが穴をあける事にした。
 
169個もあけた・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
金鋸で穴をつなげていく。
鋸歯はハイスを溶着してある、いわゆるバイメタルってやつ。ナチ(不二越)製のを使ってる。(国産をなるべく使おうw)
歯の後ろ側はグラインダーで削って、幅を狭くしておくと曲線部も切りやすい。  
鋼材の切削にグラインダーやベビーサンダーでやってしまう人もいるようだが、鋼材の過熱による影響があるのでやめた方がよい。
熱処理前の鋼材の過熱は、組織の破壊(結晶粗大化など)につながる。削った痕が黒く焼けている様ではだめだ。
組織の破壊があっても熱処理すれば硬くはなるが、脆くなって刃持ちがわるくなったり、研ぎ上げても滑らかな刃が付かなくなる。
バーキングの良いところは低速でも十分な切削能力がある点。過熱せずに削る事ができる。(高くて買えんが・・・)
 
 
 
 
切ったあとはヤスリで整形。
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
 
 
  
んで、切り出し終わり。 
 
 


 


 


 


 



2007年5月12日土曜日

8incファイター?その1

なにげにサブヒルトの付いたファイターが作りたくなった。
 
前にナイフショーで見たのを思い出しながら、デザインを書く。
図は投影法で、デッサンでなく外形を実線で引いて書く事にしてる。この方がサイズの検討がしやすい。
おいらも余り詳しくはないのだが、ラブレススタイルのナイフは、各部の寸法に法則の様なものがあるみたいだ。
例えばファスナーボルトの位置や、ブレイドベベルとバックベベルの幅の比率なんかに、一定の決まりがある様だ。
この辺の事を注意しないと、なんか変な雰囲気のデザインになっちゃうみたいだ。

 

書いた図をコピーして、これを1mm厚の鉄板に貼り付けて、外形を上から罫書く。
罫書いたら切り出して、型板を作る。

ナイフを作る時は、必ず型板を作る事にしている。
この方が全体的なバランスの確認がしやすい。








鋼材は6mm厚のATS34。
普通この手のモデルだと8mm厚ぐらいの鋼材を使うみたいだけど、それはホローグラインドの場合。
フラットグラインドなので、ホローグラインドより20%ほど薄くする。
この点は重要な事で、とかくプロのデザインを真似る事が多いが、厚さも真似てフラットで作ると実用性に問題が出る。(もっともファイターなんて実用性ないが・・・)
実用ナイフならば、ブレイドベベルの角度と幅を決めて、必要な厚さを割り出すようにする。
今回のファイターはベベル角が約20°。








2007年5月11日金曜日

革細工


ナイフを作ると必然的にシースも作る事になる。(入れ物がないと、道具として使い物にならないやね)
革細工は金属加工とは違った楽しさがある。金属の様には寸法がきっちりいかず、ファジーな感じ。
はじめはどうやるのか???の連続だったが、なれると意外と何とかなる。
半端な革を使って財布なんかも作ってみた。
最近の自作ナイフの本などを見ると、カイデックスの方が革より扱いやすい様な事を書いてあるが、はっきり言って間違いだと思う。
カイデックスはなんとなくは形になるが、きっちりしたシースを作ろうと思うと、とても難しい素材だと思う。
革の方がはるかに使いやすく思う。

2007年5月10日木曜日



ナイフを作り始めて今年で3年になる。
主に作ってるのは、アウトドア用のナイフ。
上は3.5inc、下のが2.5inc。
鋼材はよく使うのがATS34。たまにCRMO7も使う。
ZDP189 も一度使った事があるが、あまりにも加工性が悪いので当分使いたくない・・・







2007年5月9日水曜日


なんとなく使い方が分ってきた。

さて、何書くか・・・

趣味で作ってるナイフの事でも書くか。

作ったのを貼ってみた。
上のはちょっと(大分?)物騒系だけど。技術的面白さから作ったもので、こんなのばっかり作ってるわけじゃないよw
包丁もたまに作ってる。
どれも鉄工ヤスリで、手で削って作ってる。

2007年5月8日火曜日


うちのにゃんこを貼ってみた。
名前はじゅん。今年で6歳。
なにげに作ってみたが、やっぱようわからん・・・・
困ったもんだ。

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